「ソニック」快進撃の裏に隠されたセガの苦悩と挑戦とは!?知られざる戦いの歴史
セガの人気ゲームシリーズ『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』の主人公であり、同社の顔ともいえるハリネズミの「ソニック」。2020年にはハリウッド映画『ソニック・ザ・ムービー』が公開され、全世界の興行収入は約3億2,000万ドルを記録した。当時、全米でゲーム原作映画史上の最高興行収入を記録するなど大成功を収めている。
そして今年末、シリーズ3作目となる『ソニック × シャドウ TOKYO MISSION』が公開予定だ。今回は東京が舞台ということで、日本のファンからの期待も高い。そんなソニックを生んだセガだが、家庭用ハード機の歴史は苦悩と挑戦の連続だったという。
●時代の主力ゲーム機に挑み続けたセガ
セガの約20年にわたる歴史を描いた「セガハード戦記」。著者はセガの現役社員である奥成洋輔で、彼の「失敗と敗北ではない、挑戦の歴史がここにある」という言葉が印象的だ。ライバルとの激しい競争の中で奮闘し続けたセガの雄姿を知ることができる。
いまの若者にとって、セガは超人気ハードを生み出したメーカーという印象があまりないかもしれない。しかし1983年に任天堂がファミリーコンピュータを発売したのと同日に、セガはSG-1000をリリース。そこからメガドライブ、セガサターン、ドリームキャストなどを生み出し続け、任天堂やソニーなどの主力ゲーム機と激戦を繰り広げてきた。
とくにメガドライブは、北米で任天堂と一騎打ちを展開。ケネディ空港の倉庫がメガドライブで埋め尽くされたという逸話も残るほどの盛況ぶりを見せた。「ポストマリオ」という目標を掲げて開発されたソニックも、1991年にこのメガドライブ用ソフトとしてデビュー。スピード感あふれるゲームとクールなキャラクター性で多くのファンを魅了した。
ソニックは特に海外での人気が高く、全米キャラクター好感度3位にランクインするなど、国境を越えて愛される存在に。
しかし市場のニーズや価格競争などに翻弄されたセガは苦戦を強いられ、ついに2001年に家庭用ハード事業から撤退。ミニハード機を除けば、その戦いからすでに20年以上が経過した。それでも、挑戦を続けたセガの歴史は、当時ゲームに熱中した世代の記憶にいまも鮮明に残っている。なおソニックは、その後もニンテンドーゲームキューブやプレイステーション2といった他社のハード機に登場し、進化を遂げた。
セガの挑戦は、これからもかたちを変えて続いていくに違いない。そんな同社の歴史を知ったうえで映画を観ると、また違った感動を味わえるのではないだろうか。
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掲載: 2024年12月12日 13:00