インタビュー

Elisha La'Verne(2)

新作に至るまでのエリーシャ

今回の『Sensuous』は、昨年のベスト・アルバムを挟んで、オリジナル・アルバムとしては約2年ぶりの作品となり、これまで以上の充実ぶりを感じさせられた。

「そういってもらえると本当に嬉しいわ。デモ作りを入れるとかなりの時間をかけたから、絶対にいいものができるっていう予感はあったの。頭に浮かんださまざまなアイデアを、プロデューサーたちとコラボレーションしながら実現していくというのは最高の経験だった」。

しかも本作の曲作りは、前作『Change Your Way』を作り終えた直後から始めたという。
「ええ。アルバムを作り終えたっていうのに、次から次へとアイデアが湧いてきたのね。それで、前からいっしょにやりたかったプロデューサーたちに声を掛けて気軽な感じで作業を始めたんだけど、いい感じにどんどん進んでって。ロンドンとニューヨ-クを行ったり来たりしながらやってるうちに、気付いたら、アルバム3枚分くらいの曲ができちゃってたの(笑)」 。

そうやって生まれた『Sensuous』において恐らく最大のトピックとなりそうなのは、彼女自身が初めてアルバムのトータル・プロデュースを手掛けていること。全体のコンセプトみたいなものは初めから決めていたのだろうか?

「いいえ。頭に浮かんだアイデアやイメージをそのままカタチにすることを優先してたから、(アルバム全体の)コンセプトは決めてなかったわ。でも、ありのままの自分を作品にしていったことが、結果的には全体の統一感っていうか、コンセプトになったと思う。〈自分のこれまでのライフ・ストーリー的〉っていうね」。

2年前にエリーシャにインタヴューした際、彼女は自分で機材の勉強をしていると話してくれていた。それが今回のアルバムに役立っている部分も大きそうだ。

「サウンド・モジュールやサンプラ-、MIDIなんかをコンピュータに繋いでシステムを組んでるんだけど、自分で簡単なデモ・トラックは作れるようになったわ。もちろん、アルバム全部を自分だけで作れるほどは使いこなせないけどね(笑)。でも、持ってるアイデアをサウンド・プロデューサーへ具体的に伝えられるようになったから、より自分のイメージに近い曲が作れるようになったと思う」。

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掲載: 2002年04月11日 15:00

更新: 2003年03月07日 19:06

ソース: 『bounce』 230号(2002/3/25)

文/Yogi Bear