インタビュー

Vincent Gallo(4)

これまでの集大成『When』

 彼は彼名義の作品─今回リリースされる 『When』─についてこう語る。

「今回のアルバムを特徴づけている要素はふたつある。ひとつは、これまでずっ と作りたいと思い続けていたアルバムを、やっと今回作ることができたことだ。 俺は11歳のころから、レコーディング機材を集めたり、いじったりしてきた。 いつの日か、作りたいと思い続けていた〈理想のスタジオ〉を作るために、機 材を日々、買い集めていたんだ。今回のアルバムを作るだけのために完成させ たスタジオをね。ずっと思い描いてきたスタジオ環境でこのアルバムをレコーディングすることができたから、そのことが楽曲にも直接影響している。レコーディングの方法に関して、はっきりとしたヴィジョンをもっていたよ。もうひ とつの特徴というのは、今回、初めて本格的にヴォーカルをやったこと。〈バッ ファロー'66〉のサウンドトラックに入っている1曲とほかでやったカヴァー曲を除いて、これまでの作品はすべてインストだったからね。ヴォーカルに力 を入れたものの、歌詞にはそんなに意味をもたせたり、神経を使わなかったん だ。ただ、歌詞が楽曲のスタイルにマッチするように歌っただけだったんだ。 だから、すごくシンプルな歌詞で、シンプルなフレーズになっている。曲を邪 魔しないようにね。今回のアルバムの音楽にはすごく満足している。これこそ ずっとやりたかったことだ、というこれまでの集大成のようなアルバムだね」。

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掲載: 2002年05月09日 14:00

更新: 2003年03月07日 18:04

ソース: 『bounce』 224号(2001/8/25)

文/荏開津 広