Soulive(2)
アンダーグラウンドであることを「クールだ」と言うのは、マイノリティーとしてのブラック・ミュージックへのこだわりゆえか。
「俺たちはスティーヴィー・ワンダー、ハービー・ハンコックなど60~70年代のオールド・スクールの影響を受けている。ダニー・ハサウェイ、クール&ザ・ギャング、ジェイムズ・ブラウン……リストは続くよ。あのころはブラック・ミュージックがリッチな時代だった。でも彼らは当時ラジオでかかることはなかったんだ」。
今作ではもう一人のゲストであるアメール・ラリューが豊饒なソウルの系譜を引き継ぐ美しいバラードを一曲歌っていて、単にアングラにとどまらないソウライヴの懐の深さも感じられる。
「アメールとは会ったことがなかったけれど、彼女のアルバムを聴いた時にすごくいいと思ったんだ。それで今回声を掛けることにした。彼女は俺たちのことを知らなかったから、音を送って説明するところから始まった」。
ヴォーカルのフィーチャーは未来のソウライヴ・サウンドの重要な一角になりうるのだろうか?
「そう思うよ。男性ヴォーカルとの共演もライヴでたくさんやってきたけど、女性のほうが俺たちのサウンドに合っていると思うね」。
ブラック・ミュージックの伝統を全身で受け止め、最先端シーンをも包括する「俺たちにとってのネクスト・ステージ」な新譜。「まるでバンドが生まれ変わったようで、いま楽しいんだ」とアラン。ソウライヴは、またひとつジャンルの垣根を跨ぎ、既成の殻を破って前進する。
▼ソウライヴの新作『Next』にゲスト参加したアーティストのアルバムを紹介。
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カテゴリ : インタビューファイル
掲載: 2002年05月09日 20:00
更新: 2003年03月07日 16:33
ソース: 『bounce』 228号(2001/12/25)
文/松永誠一郎