インタビュー

キリンジ(4)

これまで以上にリラックスできてる

 「前作はとにかくヴォリューム感があったんで、今回はちょっと音を間引いて、歌詞の世界や曲の魅力をもう少しストレートに届けるようにしたいなとは思ってました。ツアー・メンバーを加えて何曲か録ったのも、これまで以上に僕らがリラックスできてるっていう〈いま〉の状況をいちばんうまく表せる手段じゃないかなと思ったから。それは(アルバム最後の)“Music!!!!!!!”っていう曲で顕著に表れてると思います。〈このユルさでこのテンポって、ちょっとイイよね〉とか、そういう感覚って、やっぱりツアーでいっしょにやってきたメンバーだからこそ得られた感じだったというか」。

そう、まさに〈Music!!!!!!!〉。〈卓越した○○○〉とか〈秀逸な×××〉といった常套句だけでは、もはや言い尽くせないぐらいの、胸を衝くような(まさにそうとしか言いようのない)〈グッとくる音楽〉が、ここには確かに存在してる。 「頭でっかっちなところから始まって、徐々にプリミティヴな方向に向かいつつ、それでいて楽曲そのものの質は上がっていくっていう。まあ、普通のバンドとは思いっきり逆の進み方なんだけど(笑)、そこはやっぱり僕らなりの進み方があると思うんで。ここからどんどん進んでいけば、いまよりも確実にもっとおもしろいことができるようになるんじゃないかとは思いますね」。 (望月)

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2002年05月30日 16:00

更新: 2003年03月06日 19:33

ソース: 『bounce』 227号(2001/11/25)

文/フミ・ヤマウチ、望月 哲