こんにちは、ゲスト

ショッピングカート

インタビュー

『Evil Heat』をさらにヒートアップさせるためのポケット人名辞典

JAGZ KOONER
 90年代よりアルーフのメンバーとして活躍、『Xtrmntr』よりプライマル関係者となったDJ/クリエイター。今回、『Screamdelica』以来久しぶりにプライマルのアルバムに関わるアンディ・ウェザオールとはセイバーズ・オブ・パラダイスでともに活動した仲でもある。また彼がエンジニア他で関わったデヴィッド・ホルムズ『Bow Down To The Exit Sun』でボビーは“Sick City”を披露、それを発展させたものが新作に収録された。

KRAFTWERK
 70年代よりコツコツとテクノ~エレクトロ・ミュージックの基礎を築いてきたマン・マシーンな人たち。プライマルの“Autobahn 66”は、そのタイトルからしてクラフトワークの代表作『Autobahan』を連想させる、というかそのまま。発言中に登場するノイともども、ループするリズムの快楽をポップ・ミュージックに持ち込んだ。

ROBERT PLANT
 いわずと知れたレッド・ツェッペリンのヴォーカリスト。今回は“The Lord Is My Shotgun”にハーモニカで参加。勢いにまかせて、たった3テイクで収録を終えたとか。ジョージ・クリントン~オーガスタス・パブロらに続く大物共演についてボビーは「俺たちほど、共演でマジックを起こせるバンドはいないんだ」と大威張り。

P.K. DICK
 60年代アメリカ・カウンター・カルチャーのなかで支持されたSF小説家。彼の代表作「暗闇のスキャナー」にインスパイアされて生まれたのが“Substance D”。小説の内容は、ドラッグ〈物質D〉をめぐって破滅していく麻薬捜査官についての話。「麻薬中毒者の日常をかなり正確に描写している」とボビーは言うけど、ディック自体はドラッグの経験はなく、国家の陰謀と神の問題に頭を悩ませ続けた。

JIM REID
 かつてボビーが在籍したジーザス&メリー・チェイン。その中心だったリード兄弟、その弟ジムをメイン・ヴォーカルに迎えて収録したのが昨年の〈サマー・ソニック〉でも披露した新曲“Dresden”を発展させたその名も“Detroit”。この勢いに乗ってソロ・プロジェクト、フリーヒートも再始動させて下さいね。

NANCY SINATRA
 フランク・シナトラの娘にしてアメリカが世界に誇るプッシー・キャット。彼女がリー・ヘイゼルウッドとデュエットした“Some Velvet Morning”を、ボビーはケイト・モスと歌う。ケイトの歌声を「若いころのニコみたい」と形容するボビー。しかもこの曲をジョルジオ・モロダー(!)にリミックスさせると息巻いていたようだが、どうやらボツったらしい。残念!!



上段左から、デヴィッド・ホルムズ『Bow Down To The Exit Sighn』(Go! Beat)、クラフトワーク『Autobahn』(EMI)、ジミー・ペイジ&ロバート・プラント『Wailking Into Clarksdale』(Mercury)。下段左から、P.K.ディック「暗闇のスキャナー」(創元SF文庫)、フリーヒート『Don't Worry, Be Happy』(Hall Of)、ナンシー・シナトラ『Movin' With Nancy』(Sundazed)

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2002年06月27日 12:00

更新: 2003年02月13日 12:31

ソース: 『bounce』 233号(2002/6/25)

文/村尾泰郎

記事ナビ