まだまだ熱くなる!! ブリティッシュ・ヘヴィー・ロック・シーンで暴れ回るニューカマーたち
メイン・ストリームとして確立されたヘヴィー/ラウド・ロック・シーン。そこからは創造力に溢れた個性豊かな新しい才能がさまざまな音楽を吸収し、続々とデビューしている。だがその大半はアメリカ産。ではもうひとつのロック大国、イギリスはどうだろう。常にロックの主導権を握り、新しい流れを作り出してきたイギリスだが、現在のヘヴィー・ロックには少々出遅れた感もある。しかし、ここ最近強力なバンドが次々とデビューし始めているのも確か。ツイン・シャウトが強烈な印象を残すレイジング・スピードホーンもそのひとつだ。ではそんなシーンから今後要注意のニューカマーたちを紹介してみよう。
まず一聴するとアメリカ産と思せるロストプロフェッツ。しかしどこか哀愁漂う楽曲には英国の誇りを感じさせる。果たして英国ニュー・メタルの救世主となるか!? いっぽうロス・ロビンソンが放つ最終兵器、ヴェックス・レッドは激烈ヘヴィーだが、ヨーロッパ的な繊細さ感じさせる退廃的で陰鬱なムードを併せ持っている。また、ブリティッシュ・ヘヴィーの伝統とパンクの衝動を持ち合わせたオレンジ・ゴブリンや、エモーショナル色を前面に出しシャウトするハンドレッド・リーズンズなど、彼らのサウンドの源流にはブラック・サバスやモーターヘッドというブリティッシュ・ハード・ロックから、80年代英国で勃発したニューウェイヴ・オブ・ブリティッシュ・ヘヴィーメタル、そして、ディスチャージをはじめとしたハードコア・パンクなどがあるようだ。この偉大なる先駆者たちの遺伝子を脈々と受け継ぐ英国産ヘヴィー・ロックのこれからに注目していきたい。
本文中に登場したアーティストの最新作を紹介。左から、ロストプロフェッツ『The Fake Sound Of Progress』(Sire/Columbia)、ヴェックス・レッド『Start With A Strong And Persistent Desire』(Virgin)。オレンジ・ゴブリン『Coup De Grace』(Rise Above)、ハンドレッド・リーズンズ『Ideas Above Our Station』(Columbia)
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