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インタビュー

インディア・アリーと〈ネオ・ソウル・アーティスト〉との差異とは?

 前作『Acoustic Soul』をリリースした際のインタヴューでも思ったことだけど、NBA選手とデザイナーを両親に持つインディアは、アフロセントリシティーを大きな拠り所にしている他ネオ・ソウル勢とは似て非なる音楽性を備えている。それがどのような差異であるにせよ、彼女が他の黒人シンガーとはまた違う存在だと捉えられているのは事実だ。『Acoustic Soul』後に彼女がオファーを受けたコラボレートの数々を見ても、その特性は何となくわかる。まず、カサンドラ・ウィルソンの最新作『Belly Of The Sun』にインディアは請われて参加し、ジュリア・フォーダム(インディアの大ファンらしい)にはデュエット・パートナーに選ばれた。他にもジョン・メレンキャンプのシングル“Peaceful World”にコーラスで参加するなど、広義のソウル・ミュージックと非常に近い距離を保っている。インディア自身はカントリーやフォークにも強いシンパシーを感じているそうだし、たとえばアコギとシンプルなバッキング、という形態からアニ・ディフランコやトレイシー・チャップマンを思い出すのは容易だろう。インタヴュー本文中でジェイムス・テイラーの名前が挙がってくるところから考えても、彼女の演るアコースティック・ソウルの根本にあるものが見えてくるような、こないような。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2002年10月31日 12:00

更新: 2003年02月13日 12:12

ソース: 『bounce』 237号(2002/10/25)

文/狛犬