インタビュー

それぞれがオーガニックな個性を発揮するインディペンデント・ウーマンたち。最前線はこうなってます!

 インディア・アリーの成功は、ありのままの自分を表現したい!という自己主張型の女性シンガーに大きな自信を与えたようで、今回インディアが新作を発表するまでにも、〈オーガニック・ソウル〉とカテゴライズできそうな人たちが全米各地から続々と登場している。共通するのは、ソウル/ジャズ/ファンク/ポエトリーなどを絡めたひたすら黒い音楽性で、その多くが商業的な制約に縛られないインディー・レーベルでの活動を選んでいるということ。インディアの親友でもあるローネイはすでにインディーで2作を発表し、メジャー時代以上のクォリティーの高さを見せつけているし、エリカ・バドゥ作品への参加で話題を集めた同郷ダラスのエンダンビも2作目にして2枚組の大作を発表。同じくエリカのコーラス隊から飛び立った逸材としては、激黒ジャジー・ファンク作品を発表したワシントンDC出身のヤーザラーや、ジャジーなオール生演奏アルバムを出したNY出身のヴェテラン=カレン・バーノッドもいる。そして西海岸のベイエリアでは、ジャズをテーマにした2作目が話題のレディシや、ハイエログリフィクス一派とも交流があるメロウ・ファンクな混血児ゴーペルも己の本能に従ったソウルを展開。また、ネイティヴ・アメリカンの血を引き、ジョージ・クリントンとの共演経験もあるサイケな女性マーサ・レッドボーンも見逃せない。その他、ヒップホップを基盤にオーガニックな路線を狙うクエスチョン、フィリー風のジャジー・メロウ・サウンドで酔わせるコーニャ・ドス、それに最近はゴスペル界からも〈ゴスペル・ネオ・ソウル〉を謳ったリサ・マクレンドンが登場……と、オーガニック・ソウルはもはや全米音楽のひとつの主流、というわけである。

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▼ JAZZY&PHYSICAL


エンダンビ『Tunin Up & Cosignin』(Cheeky-I)



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▼ FUNKY&PHYSICAL

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2002年10月31日 12:00

更新: 2003年02月13日 12:12

ソース: 『bounce』 237号(2002/10/25)

文/林 剛

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