インタビュー

餓鬼レンジャーの音楽を語るうえで、どーでもいいような話……でもなさそうなテーマで、レッツ・トーク!

福岡
4人のメンバーは、現在も福岡在住。「ボクは福岡に住んで1年ぐらい。満喫してますね。海は近いし、通ってるボクシング・ジムもチャリですぐ行けるし、天神へも5分で行ける」(Pocyomkin)。「親不孝通りの出口に住んでて、酔っぱらいは多い、暴走族は多い、排気ガスすごいって。やっぱね、環境はすごい重要だと思う。最初はクラブが近いからいいと思ってたんですよ、歩いて行けるし。でも、ぜんぜん逆でしたね。〈便利〉よりも大切なものがある。東京移住なんてことはあり得ないですね」(Yoshi)。

ギャンブル
“Make Me Crazy”でも歌われるギャンブル=パチスロ。「Yoshiくんはするけど、ほかの3人はしないですね」(DJ HIGH SWITCH)。「べつに金が欲しいわけじゃないんですよ。〈7揃う病〉みたいな感じですね。7が揃ったときの美しさというか。揃うときってわかるわけですよ。そんときはまわり見ますもんね、〈オレ見て〉っていう。リリックでも言ってるけど、〈負けて勝つ銀玉の社会学〉。はなっから勝つために……勝ちたいけど、勝つのがすべてじゃない」(Yoshi)。

お金
“円”では〈あんま儲かっとらんぞ どーゆー事や?〉という、切なる一節が。「ラッパーとかって華やかなイメージがあるじゃないですか、金のアクセサリー付けたり。ウチらのはるか向こうにありますね、そういう世界は。でも、早く脱却したいですよね。ましてやラッパーなんて長い保証があるわけでもないし。それこそうまいやり方でアタマ使って、ってところじゃないですか。そういう部分でラッパーは歌うだけじゃなくてビジネスの勉強もしなくちゃいけないだろうし、それが下の世代にも繋がるだろうし」(Yoshi)。「Yoshiくんは結構細かいですよね」(G.P)。「論理的なんですよね、なんにしても。カノジョとケンカしても、向こうはゼッタイ泣いて終わりっていう。〈Yoshiくんは逃げ道を作ってくれない〉ってよく言われますね」(Yoshi)。

お笑い
〈ド ド ドリフでいうと タルが落下〉(“ラップ王子さん”)など、コミカルなリリックは、餓鬼レンジャーの魅力のひとつ。「TV観るときは、お笑いかニュースかってぐらいですね」(Pocyomkin)。「でも、ウチらは決して笑わかそう笑わかそうっていう意識よりも……ね」(G.P)。「楽しみながら作ってたら、自然にそうなってる感じですね。相手が意識せずに〈クスッ〉ってなるっていうのがいいと思うんですよ。コントみたいな曲っていうのもやろうと思えばできると思うんですけど、そうじゃなくて、あくまでも真面目にやんなきゃいけないっていうのを前提でやってるからおもしろいと思うんですよね」(DJ HIGH SWITCH)。「そういうキャラじゃないのにそういうことやってるっていうかね」(Yoshi)。

映画
“PASSTIME MISSION”における〈特攻野郎Bチーム〉(映画ではAチーム)や〈ボンドガール〉〈黄金の銃〉など、アクション映画からのキーワードが。「音楽を作ってて煮詰まったときによく観ますね。大抵がアクション系やスパイものですね。話の展開が早いものが好きかな。映像と音楽が楽しめるものがいいですね」(DJ HIGH SWITCH)。「ストーリーも大事だけど、音ね。これは仕事病かも知れないですけど、音で興奮しながら楽しんでます。煮詰まったときは、いいヴァイブスをもらおうと思って観ますね」(G.P)。

格闘技
“ラップ・グラップラー餓鬼”のほか、格闘技ネタを含んだリリックは実に多し。「yoshiくんはプロレスが好きですけど、オレは立ち技系とかが好きで、趣味も全員バラバラですね」(Pocyomkin)。「大好きな理由は……完全にエンターテイメントじゃないですか、ガチンコという名のもとにおいて。その胡散臭さで、ボクは新日本が好きで。マシーン軍団ならぬ魔界倶楽部とか、なにかと昔のアイデア引っぱり出してきたり。こっちが騙されてナンボっていうかね。はなっから真剣勝負だと思ってないし、わかってるけど騙されにいって。だからこそ不甲斐ない試合したら、みんな怒るし。勝ち負けというより真剣に演じきれてるかどうか」(Yoshi)。

エロ
言わずもがな、このネタなくしては餓鬼レンジャーの個性的なリリックは成立しないかも!? 「相方(Pocyomikin)といっしょにヘルス行ったりして……ラッパ我リヤにも言われましたね。2MCで3Pできるのって羨ましいねって。ホントの意味で2MCだって」(Yoshi)。「オレら、朝起きていちばんに話すことっていったら、エロのことなんですよ。っていうか、そうなってしまいましたね(笑)。性癖は4人それぞれなんだけど、Yoshiくんとか、温かくエロを迎えてくれる、オレのエロも理解してくれるんですよね。やっぱ、脳ミソの使い方とか鍛えられましたね。この人たち(Yoshi、Pocyomkin)はすっごいチャンネル持ちなんですよ」(G.P)。「たとえばソープランドに行きました、と。そのときになにが来ても対応できるんですね、オレ。チャンネルさえ切り替えたらいいわけだし、すっごいのが来て〈うわっ、最悪〉って思うんじゃなくて、〈いや、めったにできないよな、こういうのは〉って。エロ・ポジティヴなんですよね、すごく。エロポジ」(Yoshi)。「エロ話だと何時間でも引っぱりますよ、ボクら」(DJ HIGH SWITCH)。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2002年12月05日 15:00

更新: 2003年02月07日 15:10

ソース: 『bounce』 238号(2002/11/25)

文/bounce編集部

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