インタビュー

KICK THE CAN CREW 11月30日(土)東京・日本武道館


まさしく〈どデカいパーティー〉だった。なんせド頭からステージじゃなくアリーナ席の真後ろ、1Fスタンド席前にぐるりと設置されたバルコニー状の花道のド真ん中にある奈落からリフターでメンバー登場。しかも、早くも3曲目にしてCRAZY-Aとダンサーがステージに登場したかと思えば、バルコニー花道にも数10人のダンサーがわんさか登場。つぎの“御輿ロッカーズ”でRhymesterのMUMMY-D+宇多丸の2MCも登場しステージ上に炎まで上がるといういきなりの大盤振る舞い。その後も、地球風船は客席を舞うわ、キャノン砲はぶっ放されるわでとにかく演出がド派手。それでも、ステージ上は基本的には3MC+ターンテーブル1台のみ、という平常どおりのシンプルなスタイル。要は、いつものクラブでのパーティーが異様にデカイ規模で開催されている、といったところか。トラックや会場の性質上もあるがボトムの音がやや弱めだったり、アリーナが着席だったせいかレスポンスもいまひとつだったりといった課題もあるにはある。とはいえ、名曲“LIFELINE”で総勢12名のストリングス隊をバックにラップしてみせたり、アンコールでDJ SHUHO、DJ TATSUTA、ROCK-Teeの3DJが3台のターンテーブルでスピンしてみせるなどのシーンで、〈武道館でヒップホップ〉の落とし前はキッチリつけられていた。その点でも、今後へ続くひとつの〈軌跡〉と呼ぶべき一夜になったのでは?

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2003年01月09日 10:00

更新: 2003年01月22日 13:24

ソース: 『bounce』 239号(2002/12/25)

文/早川 加奈子