インタビュー

Mis-Teeq(2)

もっとクリエイティヴになったわよ

――まず、新作に至るまでの経緯を教えて。

アリーシャ(以下、A)「前のアルバムが終わってからは、今回の新しいアルバムの作業に入ったわ。ノルウェー、NY、ニュージャージー、それからマイアミ……と各地を廻って作り終えたのよ。レコーディングには6か月かかってるわね」

――お休みはなかったの?

スー・エリース(以下、SE)「バンドといっしょにUKツアーをしていたし、クラブも廻って……この間のクリスマスまでは休めなかったわね。ま、そういう時期も気分転換みたいなものではあったけど」

――それだけいっしょにいると、お互いの関係もより深まりました?

サブリナ(以下、S)「そうね。いろいろな場所へいっしょに行ったり、いろいろなことをいっしょに体験したことは良かったわね。同じ体験をシェアできたし、お互いの理解も深まって良かったわよ」

――では、前作『Lickin' On Both Sides』の不満なところをあえて挙げるとしたら、どういうところ?

S「う~ん、不満はないわねえ。次から次へとレコーディングをして自然発生的に出来上がったって感じだったし。だから、強いて言えば、もう少し時間が欲しかったということになるわ」

SE「今度の『Eye Candy』が前のアルバムと明確に違うのは、歌も音楽も、私たち自身も成熟したってことね。R&Bやヒップホップ、レゲエの影響がもっと出てきている。私たち自身も、もっとクリエイティヴになったわ。曲も書いたし、アルバム全体に自分たち自身がもっと出てきていると思う」

――例えばサウンド面では?

S「全体的にもっとクリアになって、バック・トラックとヴォーカルが溶け合って、サウンドに煌めきが出ているというか……前作はレコーディングもミックスもアッという間に終えたけど、今回は出来上がったものを聴いて、〈ここのアドリブもう1回やってくれる?〉とか〈こういう音を足して〉とかスタジオへ戻って作業することができた」

A「あとはバランスね。その時のノリで、どの曲のどのパートが誰にぴったりかとか、今回は感じたままに作っていったわ」

――トラックが先にあって歌詞を書くんですよね?

S「ええ。スタジオへ行ってトラックを聴いてその場で書くの。ヴァイブを音から感じて詩を書いていく。こういう方法が自然でいちばんいいと思ったわ」

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2003年04月03日 12:00

更新: 2003年04月14日 22:34

ソース: 『bounce』 241号(2003/3/25)

文/高橋 玲子