インタビュー

Mis-Teeq(3)

ステキな人たちにもたくさん会ったわよ

――今作はスターゲイト、サラーム・レミ、エド・ケイス、デイヴ・ケリー、ジョーらがプロデュースしてて、初めて仕事をする相手が多かったわけですけど。

S「レコーディングに入る前にじっくり選んだ人たちばかりよ。前作に続いて参加してもらおうと思っていた人たちはあらかじめ決めていたけど、初めての相手……特にアメリカのプロデューサーたちにはドキドキしたわね。みんな大物とやってきてる人たちだから。サラーム・レミやジョーとはファンタスティックな時を過ごせたわね」

――サラームはミス・ダイナマイトも手掛けてたけど、UKでも人気があるの?

S「彼の作品は認められているわよね」

A「だって、フージーズを手掛けてたのよ。なのに、表舞台に出てくるのはあまり好まないし、賞とかにも出たがらない、控えめな人なの」

SE「そうよね。アーティストとそれぞれが出すヴァイブを活かした音作りをする人だし、クリエイティヴだわ。私たちの曲から出せるものを出してくれたものね」

S「彼は天才よ。アーティストが感じたことを見通していてる人だわ」

――ジョーとはあのR&Bシンガーのジョーですよね?

A「そう。3人ともジョーの音楽にはホントにハマッてたから、最初に会う時は物凄く緊張したわ。昔の作品から全部好きだし、大ファンだもの(笑)。いっしょに書いた“Home Tonight”もステキな曲になった。前作にはバラードがなかったから、今回これが入るのはスペシャルよね!」

――そういえば前にモンテル・ジョーダン“This Is How We Do It”をカヴァーしてたけど、USのR&Bも意識してるの?

A「もちろん。最終的にはUSでも成功したいしね。だけど、そのために書いた曲はないわ。ベストなのは、USマーケットがありのままの私たちを好きになってくれることだから」

――逆に前作で活躍したUKのマット“ジャム”ラモントやサンシップは不参加ですね。

SE「アルバムには参加してないけど、もちろんシングルのリミックスはガラージ・プロデュ-サーに頼むつもりよ」

――なるほど。ところでヴィジュアルも重要だと思うけど、今回はどんなイメージなの?

S「シンプルでクラシックな感じよ」

SE「この前のキャンペーンでは髪をカラフルにしたり、パワフルなイメージだった。で、今回はナチュラルにしたかったの。まあ、飽きたらカラフルに戻るかもしれないけど」

――そんなに華やかだと、出会いもけっこうあるんじゃない(芸能レポーター調)?

一同「ふふ(笑)」

SE「ステキな人たちにはたくさん会うわよ、いつも(笑)。でも……どう言えばいいの?」

――秘密ですか?

A「そんなことはないわよ! 付き合っている人はちゃんといるわよ(笑)」

 ……いないとは思ってませんよ。さて、彼女たち自身が語っているように、『Eye Candy』は実にヴァラエティーに富んだ一枚で、楽曲自体の完成度も格段にアップしている。それに、我の強そうな(失礼)サブリナが「例えばソロ・アーティストとしてやっていくなんて、想像できないわね」と話してくれたように、このコンビネーションがあれば、この後も〈Ear Candy〉を次々と届けてくれることでしょう。


ベイビー・シャムの2000年作『Wow... The Story』(Artists Only!)

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掲載: 2003年04月03日 12:00

更新: 2003年04月14日 22:34

ソース: 『bounce』 241号(2003/3/25)

文/高橋 玲子