90年代UKロックとともにあったブラーの歴史を、当時の代表盤とともに検証!!
『Leisure』 Food/EMI
90年代の幕開けとともにスタートしたブラーのキャリア。当時そのデビュー作が、マイ・ブラディ・ヴァレンタインを中心とした、インディー・ダンス~シューゲイザーの文脈で語られたのが、いまとなっては懐かしい。みずみずしい青春のキラメキがここに。
『Modern Life Is Rubbish』 Food/EMI
前作とは打って変わって、ブリットの矜持を正し始めた2作目。楽曲にもヒネリがくわわり、現在のブラー・サウンドの出発点となった。同じ年、スウェードはそのグラマラスな色香で英国の毒を世界中に振りまき、〈ブリット・ポップ〉はいよいよ戦闘態勢に。
『Parklife』 Food/EMI
そして、大ブレイクをキメた渾身の一撃。楽曲の完成度、ユーモア、モダンさ、すべてにおいて格段にスケール・アップした本作で、ブラーはシーンのポール・ポジションを手に入れた。そして、その背後では宿敵オアシスが鮮烈なスタートを切って追い上げてきた!
『The Great Escape』 Food/EMI
ダメ押しの4作目。このアルバムのリリースで、〈ブリット・ポップ〉は沸点に。オアシスとのシングル対決なども加熱して、シーンはまさに狂騒の季節。そのなかを目の覚めるデジロックで駆け抜けたケミカル・ブラザーズは、テクノという可能性を強烈に印象づけた。
『Blur』 Food/EMI
新しい方向性を打ち出した問題作。グレアム・コクソンがギターを掻き鳴らし、アメリカへの接近を計る。シーン全体も21世紀へ向けてゆっくりとシフト・チェンジ。次世代のエモーションを感じさせるレディオヘッドが、静かに最前線へと躍り出た。
『13』 Food/EMI
ウィリアム・オービットをプロデューサーに迎え、さらなる挑戦へ。シカゴ系アーティストなどとの交流もさかんにおこなわれた。一方、混迷するUKロック・シーンから救世主のごとく現れたクーラ・シェイカーは、90年代を締めくくる打ち上げ花火か。
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