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インタビュー

『Elements Of Life』を形作ったエレメンツ

NUYORICAN SOUL 『Nuyorican Soul』 MAW(1997)
ルーツをめざす旅のスタート。ティト・プエンテやロイ・エアーズ、ジャジー・ジェフまでを招き入れたコンセプチュアルな金字塔で、ハウスがクロスオーヴァーを模索する際の大きなガイドになった。それまでルイ~MAWを支えてきていたインディアの存在も忘れてはダメ。

BLAZE 『Spiritually Speaking』 Slip-N-Slide(2002)
ブレイズが2001年に放った乾坤一擲の超絶ヒット“Elements Of Life”がそのまま表題になったのには驚いたが、もう1曲用意された共演曲“Brand New Day”も素晴らしくソウルフル。生命の尊さを綴ったスピリチュアルな内容はテーマ的にもブレイズにドンピシャ。最高です。

DIMITRI FROM PARIS 『Cruising Attitude』 
ビクター(2003)〈旅〉をテーマにしたこの新作に“Paris Brooklyn”という曲があったり、アナンダ・プロジェクトをリミックスしてたり、そんな身軽さはルイの元へ辿り着く布石だった(うそ)。今回はアナンのソロ的な曲“Mon Amour”に登場し、人妻を口説こうと四苦八苦(うそ)。


DOMINGO QUINONES 『Derechos Reservados』 RMM/Universal(2002)
エクトル・ラヴォーに捧げられた“Quimbombo”でヴォーカルを担当するのは、現代サルサ界きっての甘口クルーナーであるドミンゴ・キニョーネス。そこではさすがに真摯な横顔も見せてる彼だが、本来の女殺しぶりはこの最新アルバムで存分にどうぞ。


HECTOR LAVOE 『15 Excitos』 Fania 
ブーガルー隆盛期から活動し、ウィリー・コローンのバンドでNYサルサの声となったエクトル・ラヴォー。美しくも脆い歌声のセンチメントにグッとくるのは、悲運のエル・マロという先入観によるものだけじゃない。本作は名唱“Mi Gente”を含む選集。甥っ子ルイもどっぷり浸ったに相違ない。

URSULA RUCKER 『Supa Sista』 !K7(2001)
冒頭曲“Jungle Fever”のイントロ前には、フィラデルフィアが生んだポエット、アーシュラ・ラッカーの力強いスポークン・ワードが。もとよりUK経由でMAW周辺とは縁のある彼女だけに納得の選抜ですが、平易な言葉で〈愛〉や〈寛容〉についてメッセージを送る姿が凛々しいばかり。

GAL COSTA 『Bossa Tropical』 MZA/Abril(2002)
自作詞を情感豊かに唇に乗せ、艶とパッションをない交ぜに繰り出してくるアナンは、〈現代版ガル・コスタ〉と賞されているとか。この新作でガルがほのめかすような円熟の色気は、まだアナンにはないけど、ダンナがルイですからこの先も安心? じっくり育ってほしいシンガーです。

MASTERS AT WORK 『Our Time Is Coming』 MAW(2002)
MAWとしての最新アルバムも、ニューヨリカン・ソウルからルイのソロに至る橋渡しとしてもちろん重要。ここまでの文脈からだと、ラテン・ジャズ曲“Pienso En Ti”なんかは特に必聴の名演と言えそうだ。ところで、ケニー・ドープはソロ・アルバム作らないのかしら?

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2003年05月01日 12:00

更新: 2003年05月01日 18:57

ソース: 『bounce』 242号(2003/4/25)

文/轟 ひろみ