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インタビュー

ネタは世につれ、世はネタにつれ……メアリーの新作に象徴されるサンプリング元の変化 その2

BUSTA RHYMES Put Your Hands Where My Eyes Could See (1997) バスタ・ライムズがみずからの立ち位置を完全に定着させたヒット・シングルを、意外にも本格派ソウル・シンガーのシリーナ・ジョンソンが“Tonight I'm Gonna Let Go”でネタ使い。ネタ元のバスタもフィーチャーしててイイ雰囲気です。

MAKAVELI Me And My Girlfriend (1996) 2パックがマキャヴェリ名義で遺した隠れ名曲を、トニ・ブラクストンが同名曲にてループ引用。先んじて同じネタを用いたジェイ・Z&ビヨンセの“'03 Bonnie & Clyde”に話題をさらわれた感はあるけど、うら寂しさでは互角。ネタがかぶるケースも今後増えそう?

Diwali (2002) ショーン・ポール“Get Busy”やウェイン・ワンダー“No Lettin Go”でポップ・チャートをも蹂躙した、レンキー作の化け物リディム〈Diwali〉。そんな飛び道具ネタを用いてスムースなR&Bにしたのがルミディーの“Uh Oooh”。今後は先鋭的なリディムがR&Bに流用される機会も増えていくかも?

MARY J. BLIGE Real Love (1992) この曲のみ歌→ラップの使用例で、ロミオ“It's All Gravy”の元ネタは本頁の主役たるメアリーの“Real Love”。そもそも“Real Love”自体が、オーディオ・トゥー“Top Billin'”という超クラシック曲をネタ使いして作られた〈ヒップホップ・ソウル〉最初の1曲!なわけで、この離れ業には女王も仰天!?

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2003年08月14日 12:00

更新: 2003年08月28日 19:15

ソース: 『bounce』 245号(2003/7/25)

文/出嶌 孝次

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