Andrew W.K.(2)
愛と努力のロックンロール
とにかく話を訊くにつけ、曲を聴くにつけ、アニキの純情ゆえのファイトがガッチリ伝わってくる。本当はとってもシャイなんだけど、いったん走り出したら納得するまで止まらない(「カラオケって最初恥ずかしくてできなかったけど、21歳で初めて挑戦したら超楽しくて。気がついたら汗だくで声はガラガラ(笑)」)。音楽やファンに対するデッカイ愛情がアンドリューW.K.っていうヒーローを作り出したんだな。でも、実際の自分とのギャップに苦しんだりすることはない?
「おお、こいつはナイスな質問だ。オレはアンドリューW.K.をキャラクターだとは考えてない。ただ最高の等身大であろうとしてる自分自身の姿というか、ファンを必死で喜ばせようとライヴで頑張ったり、仕事に燃えてるオレ。ここ数年はオレらしくなってきたって思う。音楽がオレに自信を与え、なれるはずもなかった人間にしてくれたんだ。そこでいちばん大切なのはトライして、死ぬほど努力すること! これっていい答えかな?」。
もちろん! さすが見た目も金八っつあんなら説教力もハンパじゃない。言うことが違うぜ。つまりこの新作は、アニキの愛と努力が実ったロックンロール・オリンピックなんだ。スタジアムを埋め尽くすオレたちファンの前で、アニキはロックという聖火を激しく燃え上がらせる。まったくコイツは並みじゃねーよ。じゃあ最後に、なんといってもアニキの魅力はライヴ。なにかとっておきのエピソードを教えてくれよ。
「おう! バッチリのエピソードがあるぜ。ニューオーリンズで初めてライヴをしたときのことさ。その最中に、長い間音信不通になってた幼馴染みの親友を会場で見つけたんだ。〈ワォ! わざわざ観に来てくれたんだ!〉そう思うと、マジ興奮してさ。ステージの最中だったんだけど、あまりの嬉しさにいつも以上に足を上げたら、そのまま自分の顔面にめり込んだ。もう、鼻は折れ、血がダラダラ出て、そのままオレは気絶しちまったんだ。それ以来、鼻の調子がおかしいんだよな」。
ああ、アンドリュー、やっぱりアンタはサイコーだぜ!!
- 前の記事: Andrew W.K.
- 次の記事: アンドリューW.Kのスタジアム・ロック的解体新書!!