〈NYつながり〉だけじゃ、ストロークスは語れないぞ!!
「比べられたくない」って言ってる人たちのルーツ(とおぼしき)アーティストを紹介するというのも恐縮な話なんですが、あくまでここでは私感を交えて。とかくNY派のバンドの文脈で語られる彼ら、その乾いているけど濡れてるギター・サウンドはやはりテレヴィジョンを思い出させる。ただ、そこに秘められたエモーショナルな質感はアフター・グランジを感じさせる熱いものが。メンバーが音楽を聴きはじめた頃、世代的にもグランジ系のバンドを聴いてたらしく(ゴードンは当時、パール・ジャムと交流があったとか)、少なからず因果関係はあるようだ。そんななかストロークスが公にリスペクトしているのが、前作『Is This It』に収録された“Someday”のプロモ・クリップにも登場するガイデッド・バイ・ヴォイセズ。アルバートいわく「彼らは僕らがデビューする前からツアーに連れていってくれたんだ。レコードを作る前からの付き合いで、彼らの大ファンなんだ」とのこと。またガイデッドと共にビルト・トゥ・スピルの名前をフェイヴァリット・バンドとして挙げていたが、90年代USインディー・シーンで大きな注目を集めた両者に共通する真の意味での〈オルタナ感(革新性)〉に、ストロークスは反応しているのかもしれない。
▼文中に登場するバンドの代表作を紹介
- 前の記事: The Strokes(3)
- 次の記事: NYアンダーグラウンド・ロック20年史
カテゴリ : インタビューファイル
掲載: 2003年10月30日 14:00
更新: 2003年11月20日 16:37
ソース: 『bounce』 248号(2003/10/25)
文/村尾 泰郎