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インタビュー

遠く離れても心は……ふたつ。J・ディラとマッドリブのあゆみを、主要ディスクガイドと共に紐解いてみよう

LOOTPACK 『Soundpieces: Da Antidote!』 Stones Throw(1999) 純粋なラップ作品に限れば、コレがいまなおマッド博士の金字塔か? 安っぽさゆえに拡がったアイデアがSP-1200を通じてズ抜けた野蛮さを表出。ラップも力強い。

PEANUT BUTTER WOLF 『My Vinyl Weighs A Ton』 Stones Throw(1999) 所属レーベルのボスであるピーナッツ・バター・ウルフの初アルバム。大物揃いのなかマッドリブはパシリ程度の参加ながら、“Definition Of Ill”シングル化の際にはリミックスで鬱憤晴らし。


QUASIMOTO 『The Unseen』 Stones Throw(2000) よくわからん変名を用いたソロ作で、ラッパーとしても本領発揮。近所にカジモトさんという人が住んでいたら、こんな奇人じゃないことを祈るしかないな。翌年出たインスト盤もオモロいぞ。

DECLAIME 『Andsoitis-aid』 Landspeed(2001) 後にみずからマッドメンを結成するデクレイムだけあって、マッド対決の序章は上々の仕上がり。と同時に、ここでのマッドリブ仕事がディラの音像を何となく模倣してるのもおもしろい。

ZERO 7 『Simple Things Remixes』 Ultimate Dillema(2001) ハマりすぎる組み合わせが揃ったリミックス集にて、博士は“Distractions”をリミックス。YNQ同様のジャズ・コラージュが用いられていて、遠い星からかかってきたイタ電みたいに迷惑。

MADLIB 『Blunted In The Bomb Shelter Mix』 Antidote(2003) 趣味丸出しでトロージャン音源から50曲ぐらいを選び、思いつくままにユル~くミックスしたモックモクLOVEメール……というか、タイトルのまんまの仕上がり。許可したヤツは誰だ! ホメてやるよ!

MADLIB 『Shades Of Blue』 Blue Note(2003) ブルー・ノート音源を趣味丸出しで好き勝手に引きずり回したリミックス集的ソロ作。本来とは違う意味でジャジーなヴァイブが感性をほぐしながらズブズブ沈み込んでいくような湯加減がたまりません。許可したヤツは誰だ!(以下略)

YESTERDAYS NEW QUINTET 『Angles Without Edges』 Stones Throw(2001) 彼の〈別格感〉を決定づけたマッド博士のジャズ楽団。メランコリックでアブストラクトな小爆発を繰り返す音像が目映いばかりのサイケデリアに姿を変えていくから、ひとりでもさみしくないぜ。


YESTERDAYS NEW QUINTET 『Stevie Volume 1』 Stones Throw(2002) ジャケも含めてスティーヴィー・ワンダーをカヴァーした垂涎のインスト作。いまのところお店では買えないので要注意! 間もなく公式リリースされるとのことですので……。

WILDCHILD 『Secondary Protocol』 Stones Throw(2003) ルートパックのMC、暴れん坊の初ソロ・アルバム。盟友のマッド博士も半数近くの曲をプロデュースしており、シーンの古株パーシーPを迎えた“Knicknack 2002”のズルムケたパーティー感とか聴きどころ多数。

DUDLEY PERKINS 『A Lil Light』 Stones Throw(2003) デクレイムの酔歌を料理したサイケデリアというかサイゼリア。小林亜星ばりに即効性があってクセになる、どうしようもないソウル・トラッシュ。2003年の裏ベスト……聴いてるうちに表になりそうで怖い。

produced or remixed by
MADLIB

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2003年10月30日 15:00

更新: 2003年10月30日 15:13

ソース: 『bounce』 248号(2003/10/25)

文/轟 ひろみ

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