インタビュー

TRICERATOPS

TRICERATOPS流の堂々たる〈ロック・ミュージック〉を詰め込んだ『LICKS & ROCKS』!


 強烈な先制打!……とは、TRICERATOPSがニュー・アルバムに先駆けてリリースしたシングル“Rock Music”のこと。これまでにも増してパワフルなギター・サウンドのなかから生み出される、胸躍るリフ。彼ら特有のポップなメロディーも相まって、実に〈効く〉一曲なんです! アルバムへの期待が否応でも高まるっていうもの!

「どんなことやっても、TRICERATOPSっていうフィルターを通せば、すごくキャッチーに響かせることができる。それはオレらの最大の武器だなって。だったらオレらはいま、ヘンにポップ・フィールドに寄るんじゃなくて、剥き出しのロック・サウンドをやろう!って」(和田唱、ヴォーカル/ギター)。

 そして届いたニュー・アルバム『LICKS & ROCKS』。前作『DAWN WORLD』から1年4か月ぶりとなるわけですが……。

「制作は1か月で。まず、前とは違うものにしたい。だから、次にどこへ進むべきかわかってからじゃないとやりたくなくて。〈オレらこれだ!〉って確信したうえで一気に録りたかったんですよね」(和田)。

 そうして辿り着いたのが、先行シングルにも象徴される〈ロック・ミュージック〉というキーワード。

「ロック・バンドってものは流行んないなって思ってた。弱いというか、トガッてないし、暗いっていうか……ヒップホップや一連のダンス・ミュージックのほうがロックだなって。でも、それも目新しさを感じなくなってきて。いまは、生のギター・サウンドにトガッてる感じを受けるんですよ。ここに楽器があれば、オレらはそれを手にして、いまここでプレイすることができますからね。その楽しさっていうのをオレらは伝えるべきなんじゃないかなって」(和田)。

「このアルバムには、〈オレはこうなんだけど、どうだい?〉っていうような、外に対してのパワーがすごくある」(林幸治、ベース)。

“Rock Music”に限らず、アルバム全編に散りばめられた胸躍るリフ(別項を参照すべし)、それらが効果的に盛り込まれた楽曲たちを耳にすれば、ロック・ミュージックを聴いて感じる、初歩的な衝動のあれやこれやが甦ること必至。

 ところで、収録曲の“何気ないSunday”には、こんな一節がある。〈買い物でにぎわう原宿あたりは/気がつけば年下が増えた〉と。そういえば、TRICERATOPSもデビューして7年……。

「……とか言ってるけど、〈こうしたい〉っていうことはまだあるし、先のことにも楽しみがいっぱいあるし……」(吉田佳史、ドラムス)。

「つねに〈ここからだよ〉ってね、ずっと新人のような気分でやってたんだけど、デビュー当時とはシーンが変わってますからね。オレらのことよく知らない人だっていっぱいいると思うけど、そんな人たちが〈TRICERATOPSってどういうバンドだろう?〉って思ったときに、いま堂々と〈こうなんだよ!〉って言えるようなニュー・アルバムになったと思いますよ」(和田)。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2004年03月18日 12:00

更新: 2004年03月25日 17:07

ソース: 『bounce』 251号(2004/2/25)

文/クボタ タイヘイ