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インタビュー

早くも神話になりつつあるMONGOL800のストーリー

 98年、沖縄にて結成。当時高校生だった彼らは、それゆえの〈恐いモノ知らず〉が功を奏してか、同年12月にはSNAIL RAMP、小島といった全国区バンドと共演。高校卒業後はさらに精力的な活動を展開し、KEMURI、SCAFULL KING、RUDE BONES、(憧れの!)Hi-STANDARD、BRAHMANなどとの共演を果たしながら注目を集めていく。99年12月に、地元イヴェンターが立ち上げたレーベルの第1弾としてファースト・アルバム『GO ON AS YOU ARE』を県内限定でリリース。タワレコ那覇店で行われたレコ発ライヴでは、500人以上を動員した。当初、出荷枚数1,000枚程度だった同作品は、再プレスを繰り返しながらセールスを伸ばし、翌2000年4月には、全国リリースをされることになる。

GO ON AS YOU ARE
『TISSUE FREAK』
/ハイウェーブ(2000)

  ……ということで2000年4月7日。全編英語詞による全10+1曲のファースト・アルバムが、〈沖縄盤〉と若干の仕様を変えて全国リリースと相成った。その少し前に、深夜の高視聴率TV番組で〈地方発の注目アーティスト〉として採り上げられていたことで、リリース直後から一部では話題になっていたものの、その後を考えればまだまだ序章の序章。ポップで歯切れの良いメロディーと、ヤンチャなパンク・スピリッツを宿した本作は、メンバーたちの憧れだったHi-STANDARDの活動休止でぽっかりと空いた穴を埋めていくかのように、じわじわとセールスを伸ばしていく。そう、この〈じわじわ〉が次の伏線に……。

MESSAGE
『TISSUE FREAK』
/ハイウェーブ(2001)

  『GO ON AS YOU ARE』が〈じわじわ〉とリスナーの心を掴み、離さなかったことで、次作までの1年5か月のあいだ、MONGOL800というバンドのまわりが静まりかえることはなかった……そして、2001年9月16日。のちに記録破りのセールスを叩き出す本作が登場。メンバーも成人を迎えたせいか、楽しさは残しつつも、やんちゃさは控えめ。全編で歌われるのは、普遍的な〈愛〉のメッセージ。なかでも“あなたに”“小さな恋のうた”といった日本語詞の楽曲は、彼らの伝えたかったメッセージが世代を越えて共感を生むほどに説得力の強いものだった。タワレコ年間総合チャートで、2001年、2002年ともにNo.1。

ヨロコビノウタ
『TISSUE FREAK』
/ハイウェーブ(2003)

  街行くギャルが〈モンパチ大好きァ〉とはしゃげば、男子は“小さな恋のうた”をカラオケで熱唱。沖縄から全国に発信されるバンドも増え、気が付くと音楽シーンでは〈青春パンク〉が流行――『MESSAGE』のとんでもないヒットによって、いろんなことが起きました。そんな動きをよそに、マイペースな日々を送っていた彼らでしたが、2003年夏にいよいよレコーディングを開始。ニュー・アルバムはいつ?と気をもませるなか、新作への序章というよりも、言い残していた〈MESSAGE〉とでも言うべき趣で届けられた8センチ・シングル。『百々』には未収録。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2004年03月25日 18:00

更新: 2004年04月15日 19:23

ソース: 『bounce』 251号(2004/2/25)

文/久保田 泰平

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