インタビュー

MONGOL800

どういう人たちなのかはよく知らないけれど、その歌はみんな知っている! 記録的な大ヒットとなった『MESSAGE』から2年半を経たMONGOL800のニュー・アルバム『百々』、そして、メンバーの貴重な声をお届け!

〈好き〉の延長でやってきてること


「気がついたら2年過ぎてたみたいな感じ、かな」(上江洌清作、ヴォーカル/ベース:以下キヨサク)。

 モンパチついに動く!……という一報を受け、意気込んでインタヴュー現場に駆けつけたらいきなりこれである。セカンド・アルバム『MESSAGE』がリリースされたのは2001年9月だから、あれから2年と半年。そのあいだにMONGOL800を取り巻く状況がどのように激変したのかは、もはや説明の必要もないであろう。みんなが待ってたMONGOL800。ついにサード・アルバム『百々』(もも)を完成させて、日本のロック・シーンの最前線に復帰……と思いきや、あまりにも自然体なメンバーの姿と言葉は、心地良い脱力感たっぷりなのであった。

「ホントのこと言えば、レコーディング終わったら、ギターとか触りたくないって感じなんですよ、俺。そんなに音楽のことは……いいのかな、こんなこと言って(笑)」(儀間崇、ギター:以下タカシ)。

「とりあえず、なんだかんだ言って忙しかったから。レコーディングも終わって、大学も卒業できたんですよ、やっと。ホントは去年卒業のはずだったんだけど、無理だから、卒業制作だけ前倒ししてやって。で、卒論とかあるから、学校に行って、単位もどうにか取れて。だから別に……意外にも音楽のことは考えてないです。だって、ドラム触ってないんだもん。で、釣りはしてるみたいな(笑)。そんな感じで」(高里悟、ドラムス:以下サトシ)。

 まあ、このへんのエピソードは、照れ隠しの話半分として脇へ置くとしても。たしかにこの3人に、200万枚以上のセールスを記録したビッグなバンドのミュージシャンという肩書きはまったく似合わない。しかし、だからこそ、受け止め方によっては大変なプレッシャーになったであろう不意の大成功を、スルリとかわして先へ進むことができたのではないか。

「プレッシャーは、たぶんないけど。コレとアレ(『MESSAGE』)は別モノ。アレは終わったものというか、こうなると思ってなかったから。誰も思わんと思うけど。で、普段は普通に生活してるから、実感を持とうにも、そこ(音楽)だけに入り込んでない。楽に生きてこれたのかな。それぞれみんな、好きなことやりつつ」(キヨサク)。

「そうそう。あんまりにもそればっかりというのも、なんか怖い気もするし。自信がないです、それは」(サトシ)。

「だから、感覚的にずっと、〈好き〉の延長でやってきてることだから。音楽を嫌いにならなければ、それでいいんですよ」(キヨサク)。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2004年03月25日 18:00

更新: 2004年04月15日 19:23

ソース: 『bounce』 251号(2004/2/25)

文/宮本 英夫