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インタビュー

デナウン・ポーター……って誰だ!?

 D12はもちろんラッパー6人の集合体だが、そのなかの2名が優れたビート職人であることは捨ておけない。ひとりはもちろんエミネム、そしてもうひとりがコン・アーティスことデナウン・ポーターだ。エミネムのメジャー・デビュー曲“Just Don't Give A Fuck”にてドラム・プログラミングを務めたりしていた彼がプロデューサーとして本領を発揮しはじめたのは、D12の『Devils Night』から。その後はドクター・ドレーの抜擢によってイグジビット『Man Vs. Machine』からの先行シングル“Multiply”を手掛け、サントラ『8 Mile』では、ふたたびイグジビットの“Spit Shine”、ラキムの“R.A.K.I.M.”、そしてD12の“Rap Game”(エミネムと共同)の3曲を制作。さらにバスタ・ライムズの“Riot”では、J・ディラにも通じるような4つ打ち風ファンクにまで手を伸ばしている。これを前フリにスティールパンの音色を効かせた50セントの超特大ヒット“P.I.M.P.”、Gユニットの“Stunt 101”を送り出し、堂々たるヒットメイカーとして大成しつつある。ドレー譲りの立体的なビート作りと、独特のダークな音色選びにセンスを見せる手際は実に鮮やかだ。『D12 World』を聴く際にはそのあたりに留意してみるのもいいかも。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2004年05月20日 16:00

更新: 2004年06月24日 11:38

ソース: 『bounce』 253号(2004/4/25)

文/出嶌 孝次