インタビュー

勝手にしやがれ

デビューより一貫されたモノクロームの世界。傑作『フィンセント・ブルー』に込められた、7人7様のスーツに身を包む伊達男たちのスピリットとは……!?


 一見、相反する価値観を等価値なものとして体内に宿すことから、真の個性は生まれる。ただし、そこに作意があってはならない。天然のバランス感覚の有無でその個性は本当の意味での個性にもなるし、〈個性的〉という没個性に陥りもする。要はマインドの問題なのだ。そういう点で、〈勝手にしやがれ〉というバンド名としては風変わりな名を名乗るこの7人組は、十分に個性的であり、バランス感覚に優れた音楽集団である。個人と集団、不変と進化、過去と未来、偶然と必然、知性と野性、知識と実践、アートとアウトロー・カルチャー、そして、ジャズとパンク──。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2004年05月27日 12:00

更新: 2004年06月10日 19:17

ソース: 『bounce』 254号(2004/5/25)

文/山内 史