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インタビュー

ASPARAGUS(2)

いま思えば、気持ち良かったなって

――今回の2枚同時リリースは、どういう経緯で実現したんですか?

渡邊「ファースト・アルバム(2002年発表の『Tiger style』)を出したとき、ノリで〈次は2枚同時リリースだ!〉ってイキがってしまいまして」

――それは、曲がガンガン出来ちゃうとか、なにか根拠があるイキがりだったんですか?

渡邊「いや、ぜんぜん何も。むしろ砂漠でした(ハハ)。そろそろレコーディングしなきゃってときになっても、まだ5、6曲しかなかった」

――えっ? 5、6曲……ですか。

渡邊「ええ。まあ、最悪1枚でもいいやって、ちょっと甘ったれた次男坊テイストがそこで出てきちゃったんですけど(苦笑)。そんなとき、たまたまPIZZA OF DEATHのイヴェントに誘われて、(横山)健くんに〈アルバムを出さない?〉とお話をいただきまして。最初は悩んだんですけど、PIZZA OF DEATHと自分たちのレーベルから1枚ずつ出せたらおもしろいと思って。でも、そのときはまだ5、6曲しかなかったんですけどね(ハハハ)」

――じゃあ、曲作りは大変だったでしょう?

渡邊「いま思えば、気持ち良かったなって(アハハハハ)。いい思い出だなって(アハハハハ)。いや、大変は大変だったけど、これを大変とは言えないですよ」

――どれぐらいの期間で作ったんですか?

一瀬「レコーディングは去年の11月からだったんですけど、あと10曲ぐらい作らなきゃいけないなって話をしたときは、もう夏も終わりかけてましたね。だから、2か月ぐらい」

渡邊「それでも足りなかったんですよ。実を言うとレコーディングは2回に分けてて、11月に一度やったあと、やっぱり年末は大掃除やら何やらで忙しいんで(笑)、もう1回、2月にやったんですよ。だから、11月に録る曲はなんとかサクサクと作って、後半の曲は今年に入ってから、潤くんにも2曲作ってもらいつつ、1週間で4、5曲をダッシュで」

――ホントに!? そのわりには捨て曲がないですね。

渡邊「それはやっぱり神頼みというか、お百度参りもしてたんで。昔から、追い詰められるとモワッと出てくるんですよ。普段はSなんですけど、そういうところはMなんですかね。イタコ的と言うか、何かに乗り移られているようなところもあるんで、よく覚えてないんですけど、出来上がると〈なんでこんな曲を作っちゃったんだろう!?〉って思うこともあるんですよ」

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2004年07月15日 13:00

更新: 2004年08月19日 23:51

ソース: 『bounce』 255号(2004/6/25)

文/山口 智男