インタビュー

原田郁子の〈こころのアルバム〉

〈こころのアルバム〉っていうのをここに4枚挙げてるけど、ホントは4枚なんかじゃ収まんないし、挙げればキリがないんだけども、何度も何度も聴いたアルバムっていうところで挙げてみました。そうしたら、これは偶然なんだけど、全部〈ソロ〉だったんですよ。弾き語りであったり、インストであったり、スタイルはそれぞれなんだけど、1人でやってるものばっかりだった。矢野さんもリッキー・リー・ジョーンズも、バンドでやるアルバムもあるし、それはそれですごくいいんだけども、何回も何回も長~いこと聴いてる作品は、不思議なんだけど、ソロだったんだなぁって……後で気付いた。(談)

矢野顕子 『Super Folk Song』 エピック(1992) 表現力豊かであると同時に独自のメロディーセンスを持ち、説得力十分の歌声も併せ持つ〈ピアノウーマン〉としては、郁子ちゃんの先輩にあたるアッコちゃん。このアルバムは剥き出しになった〈歌〉をピアノと声だけで最大限に表現した、タイトルどおり〈Super〉な一枚。

THELONIOUS MONK 『Solo Monk』 Columbia(1964) 独特なタイム感とコードワークやメロディーセンスでユニークな音楽性を確立したモンク。このアルバムはタイトルどおり彼のソロ・ピアノだけ……なのに前衛的かつポップでワクワクする豊かな音楽に溢れている。そんなところが郁子ちゃんの音楽とも通じますね。

RICKIE LEE JONES 『Naked Songs』 Reprise(1995) 郁子ちゃんと同じように、キュートで知的で独特な歌声を持ってて、かなり凝ってるけどキャッチーな曲を書く彼女が、自身の代表曲をシンプルに弾き語ったライヴ盤。タイトルどおり、裸になった歌が聴く者の心にダイレクトに響く、人肌の温もりを感じさせる一枚。

DR. JOHN 『Dr. John Plays Mac Rebennack』 Clean Cuts(1981) ニューオーリンズを代表するミュージシャンの彼が、〈いちピアニスト〉に立ち戻って自身の代表曲をソロ・ピアノで披露した作品。ピアノという楽器がどれだけ雄弁に音楽を物語れるかということを郁子ちゃんの音楽と同じくらい再認識させてくれる一枚。

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掲載: 2004年09月30日 16:00

更新: 2004年10月07日 18:16

ソース: 『bounce』 258号(2004/9/25)

文/bounce編集部