インタビュー

AFRA(2)

ティンバランドとやってみたい

 その後の日本での快進撃は冒頭でご紹介したとおり。帰国後も、彼は〈どこでも、誰とでも〉共演し、先日はルーツの来日公演のステージにも上がった。そしてこのたびセカンド・アルバム『DIGITAL BREATH』がリリースされる。プロデュースを手掛けるのは、〈ギザギザ・ビートの子守唄〉を鳴らすビートチョップの達人、プレフューズ73ことスコット・ヘレンだ。この意外な組み合わせから生まれたのは、異なるドラム音を同時に鳴らすAFRAのヒューマン・ビートボックスの持ち味を最大限に活かした“SLICE MY BEAT NICE!”、スラップ・ベース調のファンキーなヴォイスにプレフューズらしい哀愁溢れる電子音サンプルが乗る“SIMPL SAMPL”、AFRAの呼吸音をクールに取り込んだ“DIGITAL BREATH”まで、全8曲。アルバムの収録時間は決して長くないが、AFRAとプレフューズ双方の魅力を存分に堪能できる一枚だ。

「彼はけっこうセンシティヴな感じの人で、スタジオで(録音の後に音を)いっしょにイジるんかな、と思っていたら〈じゃ、これで〉っていう感じでホテルに帰って作業する。で、とあるCDを聴かせて〈こういうのがほしい〉って言ったら、〈じゃ、コレちょうだい〉って言って解散(笑)。でも、次の日に出来上がった曲のラフを聴かせてもらったら、〈あー、これこれ!〉っていう仕上がりになってた。仕事の早さとそのクォリティーにはビックリしましたね。コミュニケーションのない状態で音を作るのもおもしろかったし、冒険にもなったと思う」。

 AFRAの〈陰〉、プレフューズ73の〈陽〉、それぞれがこれまでに見せてこなかった側面が引き出されたフレッシュな新作。テクノロジーも味方にして、AFRAはさらなる前進を果たした。さて、数々のアイドルとの共演を果たした今、次はどこで誰と?

「ティンバランドとはすごくいっしょにやってみたいですね。あり得ないビートを作るし、あの人もヒューマン・ビートボックスをやるから。ライヴァルは地元(大阪)のビートボクサー。来年ぐらいから3人の仲間とINCREDIBLE BEATBOX BANDっていう名前のグループをやりたいなと思ってます(笑)」。

▼文中に登場したアーティストの作品を一部紹介


ジョン・ゾーンのライヴ盤『John Zorn's Cobra Live At The Knitting Factory』(Knitting Factory)

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2004年12月09日 13:00

更新: 2005年01月13日 18:05

ソース: 『bounce』 260号(2004/11/25)

文/リョウ 原田