いちばんスゴいヒューマン・ビートボクサーって誰? 教えて、AFRA!!
一言で説明してしまうと、ヒューマン・ビートボックスとはビートボックスのリズムを人間の口を使ってやっちゃうことで、古くからヒップホップを構成する重要な要素のひとつとして多くのビートボクサーたちがその口技を磨き合ってきた歴史のある〈楽器〉だ。で、そもそもはビートボックスを買うことのできないストリートの連中が、その代わりに自分たちの口を使ってビートを刻むことを編み出したことが始まりとなったわけだけど、ここでその偉人たちについてAFRA本人に説明してもらおう。
「代表的なのはスリック・リックとやっていたダグE・フレッシュとか、ビズ・マーキーの“Nobody Beats The Biz”とかですよね。ヒューマン・ビートボックス・マスター? そうですね……まずはバフ(ファット・ボーイズ)。いちばん初期に誰のマネでもなく自分流に始めた人で、そこから成り上がっていったんですよね。どのビートボクサーも彼のことを尊敬してます。80年代にヒューマン・ビートボックスが出てきたころってものすごく流行って、ブルックリンでもヒューマン・ビートボックスでストリートファイトとかしてたらしいんだけど、そのときいちばん強かったのがバフだったんです。巨漢で音も凄いし、みんな〈アイツには勝たれへん〉って。太り過ぎて死んじゃったんだけど、本物のレジェンドですね。だから、ラーゼルもその座をめざしてやってる。うん、ラーゼルとスクラッチの功績も大きいな。グラミーを取るような立場でヒューマン・ビートボックスの存在を世界に知らしめたから。だから、世界に種を蒔いたのは彼らですね。僕も間違いなくその種のひとつやし」。
ヒューマン・ビートボックスは、世界でもっとも安上がりで、もっとも身近な楽器のひとつだ。教科書はAFRAが教えてくれた偉人たちでもいいし、MB2000にも参加していたババ(ディジュリドゥを吹きながらヒューマン・ビートボックスをカマす異才!!)でもいい。でも、最適のテキストは……言わなくてもわかるよね?
▼文中に登場したアーティストの作品
ビズ・マーキーのベスト盤『The Best Of Cold Chillin'』(Cold Chillin'/Warner Bros.)
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