続々と到着するラスタ系作品のなかから注目作をご紹介
CHEZIDEK 『Rising Sun』 VP(2005)
優れたラスタ・アーティストを育ててきたエクスターミネーターだが、現在のイチ押しシンガーはこのチェジデックだ。少しクセのある歌い口で活きのいいヒューマン・トラックを次々と乗りこなしている。注目すべき。
NATTY KING 『No Guns To Town』 Insight(2005)
“No Guns To Town”の大ヒットで一躍名を上げたナッティ・キングによる待望のデビュー盤。味のある歌声がリメイク・トラックとよく馴染んでいて、噛むごとに旨味が染み出してくるような逸品だ。
TURBULENCE 『Triumphantly』 Kingston(2004)
4月中旬にはVPから決定的な新作を出す彼だが、ヨーロッパ制作による今作でも彼特有の〈泣き〉のシング・ジェイは炸裂。トラックのクォリティーも高く、伸び伸びとした歌声をうまく演出している。
SIZZLA 『Life』 Greensleeves(2004)
驚異的なリリース・ペースを誇るカリスマ、シズラ。セルフ・プロデュース作となる今作は、時流を見事に捉えたルーツ色濃厚な傑作だ。新勢力がいくら台頭しようとも、この男の王座はそう揺るがない。
CAPLETON 『Reign Of Fire 』 VP(2004)
ルーツ曲からジョグリンまでを余裕でこなすケイプルトンの底力と懐の深さが滲み出た強力盤。血管がブチ切れるような咆哮、じっくりと歌い上げる渋みのある歌唱、そのどちらもこのヴェテランの魅力だ。
ANTHONY B 『Untouchable 』 Togetherness(2004)
デビューが90年代半ばだからもう中堅だが、そのハードコアなスタンスを崩すことなくハイペースな活動を続けるシング・ジェイの最新作。スヌープ・ドッグやワイクリフ・ジョンも参加した会心の一撃だ。
CHUCK FENDA 『Better Days』 5th Element(2004)
フィフス・エレメントを代表するもうひとりのシング・ジェイによる超重量級哀愁盤。新世代ラスタ・ムーヴメントのド真ん中を突き進むような、古くて新しいその魅力に涙腺が刺激されまくり。
GENTLEMAN 『Confidence』 Four(2004)
知られざるレゲエ大国、ドイツを拠点に活動する白人シング・ジェイの最新作。どこかクールに言葉を置いていく話芸がなかなか個性的で、その魅力を武器にジャマイカでも躍進中。今作も力作だ。
VARIOUS ARTISTS 『Universal Message Vol.3』 VP(2005)
フィフス・エレメント周辺から中堅~新人まで美味しいところをまとめて収録したマスト盤。主要アーティストはほぼ網羅しているので、シーンの動向を俯瞰するには最適の一枚。