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インタビュー

M.I.A.(2)

自分なりに感じるビート

 絵を描くことが大好きだったというマヤは名門美術学校に進学し、やがてアートの世界にどっぷり浸かっていきます(もちろん、M.I.A.の作品すべてのアートワークはマヤが手掛けています)。94年頃から数年間はLAに長期滞在したり、エラスティカのジャケやプロモ・クリップを手掛けたり(コラム参照)、アートの世界で華々しい活動を送りながらもやがて音楽への道を選ぶことになります。「最初は音楽をやるっていうイメージはなかった」という彼女ですが、きっかけになったのは2002年に開いた最初の個展でした。

「幸運なことに、絵を買い上げてくれた人がいて、それがジュード・ロウだったのよ! しかも奮発してくれたからそのお金でしばらくセント・ヴィンセント島に行くことにしたのね。そこで死ぬほどクラビングして、ダンスホール・レゲエに出会った。もう、24時間寝ても覚めても音楽漬けよ! お店によっては道にサウンドシステムを出して、昼も夜もみんな外で踊っていたりするの。そこで本当に音楽が好きになって、強く意識しはじめたわ。あと、島の教会に行った時、ミサの賛美歌で叩く手拍子が違うって周りのおばさんに指摘されて(笑)。それがどうして自分だけこんなに調子っぱずれなのかを分析してみたくて、自分なりに感じるビートを研究してみたの。そうしたら、どうやら変則的なノリが得意だとわかって、そこからその勢いで曲を作っていったの」。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2005年06月30日 10:00

更新: 2005年07月07日 19:30

ソース: 『bounce』 266号(2005/6/25)

文/轟 ひろみ