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インタビュー

M.I.A.の秘密を探るためのキーワード&キーパーソン

ARULAR:M.I.A.のファースト・アルバムのタイトルにして、マヤの父親のコードネーム。

CAVEMEN:デビュー・シングル“Galang”の段階からM.I.A.をサポートしている、スティーヴ・マッケイとロス・オートンのコンビ。ユニット結成からまだ日が浅いため仕事量はそう多くないものの、コーナーショップ“Topknot”やパーセプショニスツ“Party Hard”などをリミックスして振り幅の広さをアピールしている。

DAMON ALBARN:ブラーのフロントマン。ゴリラズでの『Demon Days』(Parlophone)が大ヒット中。「昔の彼氏がシンガーでヴァージンとの契約があったから、ヴァージン系アーティストのライヴにはいつもタダで入ってたのよ。で、あるライヴのバックステージにデーモンがいて。ブラーも聴いてなかった私は他の人たちと話していたんだけど、そのうち口説いてきたのね。〈有名だからって別にアンタに興味ないし!〉って言ってやったわ」。

DIPLO:TTC“De Pauvres Riches”のリミックスなどで注目を集め、2004年のファースト・アルバム『Florida』(Big Dada)が大絶賛を浴びた新進ビートメイカー。M.I.A.の“Bucky Done Gun”を手掛け、現在はマヤの彼氏らしい!?

JUSTINE FRICSHMANN:ブリット・ポップ時代の重要バンド=エラスティカのフロントマンにして、前述したデーモンの元恋人。エラスティカの『The Menace』(Atlantic)のアートワークをマヤに依頼し、カメラマンとしてUSツアーにも伴っている。マヤに機材の使い方などを教えた恩人でもある。「ジャスティーンとはデーモンを通じて出会ったの。彼はイヤだったけど、元彼女として紹介してくれたジャスティーンとはメチャクチャ仲良くなった。私も彼女もデーモンが嫌いだったし、すぐ打ち解けたわ(笑)」。

LTTE:スリランカの反政府組織、〈タミール・イスラム解放の虎〉。マヤの父親はそのうちの1グループのリーダーだった。

NAS:NYが生んだ最高のリリシスト……だが、LAでマヤをしつこくナンパしたそうで。「私は〈アンタ、ナズでしょ? 曲では偉そうに説教するくせに、こんなにチャラくていいわけ?〉なんて息巻いてしまって。それから10年経って、いまは何と事務所が同じなの。彼も覚えていて、いまじゃ笑い話よ」。

PEACHES:カナダのハイパー・エレクトロ・パンク・ビッチ(!?)。エラスティカのUSツアーで前座を務め、マヤに出会う。マヤがMC-505を使っているのは彼女の影響だとか。代表作『The Teaches Of Peaches』(Kitty-Yo)のジャケ通り、ピーチ色のホットパンツが強烈!! 「マシーン1台とマイク1本であんなにデカい音を出して、30代半ばでもホットパンツを穿いて……私に勇気をくれたし、お金よりも意欲と根性が必要だって教えてくれた」。

PUBLIC ENEMY:マヤが最初にハマッた欧米のアーティスト。88年作『It Takes A Nation Of Millions To Hold Us Back』(Def Jam)は大傑作。「いちばん衝撃を受けたのがあの独特のスタイルね。セキュリティーが常にステージにいるなんて! スポークスマンのグリフは本当に思想を持っていて、音楽の中心となるチャックDがいて、さらにエンターテイメントなトッピングとしてフレイヴァ・フレイヴがいる。オリジナルな発想でこんなにカッコイイ音楽をやる人たちがいるなんて、と思ったわ」。


ROSS ORTON:ケイヴメンの片割れ。2003年に『The First Fat Truckers Album Is For Sale』(International Deejay Gigolo)をリリースしたファット・トラッカーズの一員でもある。それ以前にはムーチャン・クランのメンバーだったことも。

STEVE MACKEY:これまたブリット・ポップ時代の人気バンド=パルプのメンバーで、ケイヴメンの片割れ。パルプは2001年の『We Love Life』(Island)で活動休止。「スティーヴは対人恐怖症かと思うくらいシャイで、同じ空間で2人っきりの作業なんてできそうになかったから、彼の家の近くにアパートを借りて、なんとトランシーバーで作業したのよ(笑)。そのうち打ち解けたけどね」。

TIMBALAND:マヤのお気に入りアーティストで、M.I.A.のリリックにも彼とミッシー・エリオットの名が織り込まれている。そのミッシーの新作『The Cookbook』(Gold Mind/Atlantic/ワーナー)用にM.I.A.もレコーディングしたようだが、最終的には収録されず。聴きたい!!

2PAC:伝説のサグ・ラッパー。LA滞在時にマヤが出会ったひとりで、95年の傑作『Me Against The World』(Interscope)の視点はM.I.A.にも通じる? 親が反政府活動家だという部分も共通項か。「背景に共通点は多いはずなんだけど……いま思えば彼は、姿かたちから性格、自己破壊的な考え方まで、死んだ従兄弟にそっくりだった。当時の私は本能的に理解できる人に興味がなかったから、あまりつるまなかったの」。

RICHARD X:ブート系リミックスやブレンド盤で名を馳せ、ついにはアルバム『X-Factor Vol. 1』(Virgin)までリリース。『Arular』に数曲でプロデュース参加。シアラ“Goodies”のリミックスにM.I.A.を招いている。

UNDER ME SLENG TENG:プリンス・ジャミーが85年に編み出した超クラシックなレゲエ・リディムで、その後のダンスホールがコンピュータライズを進めていく先駆けとなり、ヒップホップにも多大な影響を与えた。現在はウェイン・スミス『Under Me Sleng Teng』(Greensleeves)などで聴ける。「〈スレンテン〉はパーフェクト。いちばん好き!」。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2005年06月30日 10:00

更新: 2005年07月07日 19:30

ソース: 『bounce』 266号(2005/6/25)

文/出嶌 孝次

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