インタビュー

安室奈美恵(2)

すべてが形にできた

――じゃあ、SUITE CHIC以降で、自分の理想の形にいちばん近づけた作品だと?

「『STYLE』の時は初めて自分でいろんなものを選んで作っていくなかでプレッシャーもあったし、〈やっとできた〉〈ちょっとホッとした〉っていう感覚が先にあったんですね。やっと自分でアルバムが作れたな、っていう。でも、今回は曲もそうだし、いろんな意味ですべてが形にできた気がします」

――“I Wanna Show You My Love”や“FREE”の歌詞は、そんな今の自分の気持ちを代弁してる歌詞なのでは(笑)?

「あはは(笑)」

――〈求められてるままの場所もきっと悪くないbutつまらない〉とか〈勝手なイメージ抱いて/会ったことすらないのに〉とか。〈見たくないなら見なけりゃいいじゃん〉なんて、語気も強いし。

「それはもうホントに言いたいですよね(笑)。見たくないなら見なけりゃいいじゃんって、ホントにそう思う。レコーディングのときも、その歌詞のところはちょっと意地悪そうに、ホント〈見なきゃいいんじゃないのッ!って感じで歌って〉って言われて。で、そういうふうに歌ったら〈うまいね〉って言われて(笑)。そこは歌ってても、ホントすごい気持ち良かった(笑)」

――でも、そういうフレーズを曲に盛り込むことで、これまで以上に、いっそう強く自己表現ができたんじゃない?

「それはありますね。なんかもう、心を開いた感じがしますよ、このアルバムは(笑)。心を開いて、すべてを歌った感じ。だから、どれを聴いても、嬉しくてちょっと笑いがこぼれる。〈あ、これが私の曲になっちゃうんだな〉〈良かった、他の人の曲にならなくって〉って、ちょっと思いますもん(笑)」

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掲載: 2005年07月28日 15:00

更新: 2005年08月11日 20:21

ソース: 『bounce』 267号(2005/7/25)

文/猪又 孝