インタビュー

女王のサウンドを誂えたNao'ymtって誰?

 イマの安室ちゃんに欠かせない音楽的ブレーンというと、秀逸なヴォーカル・アレンジ/ソングライトを手掛けるMICHICOが挙げられますが、今回の『Queen of Hip-Pop』で特に着目すべきはNao'ymt。いったい誰?と思ったら、2003年を代表する女傑名盤(だと思っている)LUNAのデビュー・アルバム『THA FREAK SHOW』(LIL BOOTY)にてオリエンタルなダンスホール風バウンス“LUNATIK SKILLZ”など4曲を制作していたのが彼だったのです。そして、そのキャリアをもっと遡れば、2000年にミニ・アルバム1枚を残している実力派男性ヴォーカル・グループ、JINEの1/3なのです。そりゃ歌えるわ……。

 2004年から本格的な制作業に乗り出した彼は、Meyouの『Make Love』(キング)にてセクシーな表題曲とTOKONA-X参加の“Ego”をプロデュース。他にもMEGUMIやCHEMISTRY、Tylerらも手掛けて振り幅の広いところを見せました。今年に入ると、Crystal Kayの『Crystal Style』(エピック)に“&BRAND-NEW”と“Tears”を提供したり、名取香りのシングル“Player”(ユニバーサルJ)に収録されたシャーデーのカヴァー“The Sweetest Taboo”をアレンジしたり。極めつけはトラック・ボーイズを咀嚼したようなビートと現行R&Bのタメを完全に把握した歌が絡んだ日本でも希有なR&B曲=YA-KYIMのデビュー・シングル“Clap 'n Clap”(ビクター)でした。そして『Queen of Hip-Pop』に至るわけです。来年にはJINEも作品をリリースするとの噂ですし、〈ナオワイエムティー〉と読むこの名前は覚えとくべきかも。

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掲載: 2005年07月28日 15:00

更新: 2005年08月11日 20:21

ソース: 『bounce』 267号(2005/7/25)

文/出嶌 孝次