イン・ヤンが時代を引き寄せるまで
YING YANG TWINS 『Thug Walkin'』 Collipark/Universal(2000) 口笛を合いの手にしたフックが印象的な“Whistle While You Twurk”がヒットした初のアルバム。当時のニューオーリンズ産品を意識して〈エビウェウィゴォォウ~~〉と張り上げる表題曲もカッコ良すぎるし、〈エイ! エイ! エイ!〉と執拗に連呼する“A!”が曲名も含めて強烈だ。
YING YANG TWINS 『Alley : The Return Of The Ying Yang Twins』 Collipark/In The Paint/Koch(2002) 曲調が豊かになった2作目。語尾に全部〈~ィヤイヤイ〉と付けて強引に韻を踏んだヒット・シングル“Say I Yi Yi”の変則的な展開も興奮モノだし、〈スモ~クバマセ~ドリンクバマセ~〉と力強く繰り返す“By Myself”もホット! 一方でくたびれバウンス“I'm Tired”などダンジョン・ファミリー風の新味も。
YING YANG TWINS 『Me & My Brother』 Collipark/TVT(2003) 〈♪ワワワ~ワ~ワ~〉のメランコリックランク“Naggin'”、〈シェカラカソゥルシェカ!!〉の“Salt Shaker”、〈ブゥゥーン!!〉の“What's Happnin!”などヒットを連発した大ブレイク作。合いの手を〈ハァァ~ン!?〉としつこく繰り出す“Hanh!”も笑える。
YING YANG TWINS 『My Brother & Me』 Collipark/TVT/ビクター(2004) 総勢10人によるマイクリレーが圧倒的な“Salt Shaker(Extended Remix)”などのリミックス、ジュヴィナイル“Slow Motion(Remix)”といった客演曲、さらに新曲を加えた変則盤。重々しいスロウ・ベースから、〈クランク!〉と吠えて高速エレクトロにスイッチする“Halftime”がバカでヤバい。BLのリミックスなどボーナス・トラックを加えてこのたび日本盤化!
YING YANG TWINS 『U.S.A. (United State Of Atlanta) : Chopped & Screwed』 Collipark/TVT(2005) スウィシャ・ハウス総帥のマイケル・ワッツによるスクリュー仕様盤。最初からスクリュー向きだったマイク・ジョーンズ客演の“Badd”はさておき、〈囁きスクリュー〉はもはや変態の域。ソウルフルな展開もドロリと溶かして、スクリュー盤としても相当レヴェルが高い!
VARIOUS ARTISTS 『So So Def Bass All-Stars Vol. 3』 So So Def/Columbia(1998) ここに収録されたDJスマーフ制作の“True City Thugs”がイン・ヤンのメジャー初見参曲。うるさい!
LIL JON & THE EAST SIDE BOYZ 『Kings Of Crunk』 BME/TVT(2002) シーンにクランク道を確立した本クラシックに収録の“Get Low”は、イン・ヤンならではのキャッチーな名曲。〈スキスキマダファカ~スキスキガッデ~ム!〉と覚えやすいフレーズが入り乱れる、フックだけで成り立った作りも凄い。
BRITNEY SPEARS 『In The Zone』 Jive(2003) 冒頭から〈ショ~ティ~〉と奇声を上げて〈フゥゥウー!〉と暴れ回る“(I Got That)Boom Boom”にブリトニー・ファンは引きまくり? でも、パーカッシヴ&スケベな作りはブリにピッタリの下世話な作りで最高でしょ!
NAPPY ROOTS 『Wooden Leather』 Warner Bros.(2003) ケンタッキーから現れたピースフルな連中。ビート・イン・アズがリミックスした“Roun' The Globe(Collipark Remix)”にイン・ヤンも馳せ参じ、ケツを揺さぶるフロア・キラーに改変!
WILLIE CLAYTON 『Changing Tha Game』 Endzone(2004) シカゴとアトランタを股にかけて活動する重鎮と“Monkey See Monkey Do(The Remix)”で予想外の合体。冒頭からゴリッと熱いフロウをかまし、ジャジーなビートと渋い歌を無視して〈アァー!〉とか後ろで吠えまくる猛獣仕様に。違和感なく受けて立つウィリーも凄い。