インタビュー

マルチな才人、ドゥウェレの多様なコラボレーション

 いまはなきグッドヴァイブからバハマディアの『B.B. Queen』がリリースされたのが2000年。彼女のレーベルメイトだったスラム・ヴィレッジの繋がりもあって、無名時代のドゥウェレはそこで素晴らしい2曲を制作したが、メジャーなヒップホップ/R&Bシーンにすぐ浮上してくることはなかった。一方、クラブ方面ではぐんと注目を集め、リクルース“Can't Take It”でのヴォーカルや、ニュー・セクター・ムーヴメンツ“The Sun”のリミックスを手掛けて話題を蒔いている。そんな頃、DJのマーク・ファリナが自身のミックスCDに件のバハマディア盤から“Philadelphia”を選んでいたのが印象深い。というのは、70年代のニュー・ソウルやジャズを好み、ローズ・ピアノを愛でるドゥウェレの資質はネオ・フィリーの盛り上がりを担った面々とも重なるからだ。そのなかでもっともクラブ寄りのキング・ブリットが旗降りを担ったイヴァナ・サンテーリの『Corduroy Boogie』にて、ドゥウェレはジェイムズ・ポイザーらと制作に加わっている。ラヒーム・デヴォーン“Is It Possible”のヴォーカル・プロデュースはこんな流れに連なる仕事にも思える。その他の仕事は、T・ラヴを手掛けたような例外を除けば、デトロイトの地縁が中心。J・ディラの『Welcome 2 Detroit』では鍵盤を担当し、ラックスやファット・キャット、そしてスラム・ヴィレッジの諸作では美麗な歌声を聴かせている。
▼ドゥウェレの参加作品を一部紹介。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2005年10月06日 12:00

更新: 2005年10月06日 20:05

ソース: 『bounce』 269号(2005/9/25)

文/池谷 修一

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