インタビュー

MASHONDA

ホットなビートに寄り添う歌声の正体、誰もが口ずさみたくなるメロディーの源泉……スウィズ・ビーツの麗しきミューズが、その美しい姿と天賦の才能を現した!!

スウィズは赤ちゃんみたいで……


  美貌とキャリアと才能と。古くは〈天は二物を与えず〉、少し新しいところでは〈勝ち犬/負け犬論争〉など、〈仕事に勤しみ過ぎる女性=幸せな結婚はムリ〉みたいな二極論もまかり通る昨今だが、それを軽~く覆す女性が現れた。彼女の名前はマションダ。満を持して『January Joy』でアルバム・デビューを果たすR&Bシンガーの新星にして、スーパー・ヒップホップ・プロデューサー=スウィズ・ビーツの奥方だ。

 2人の馴れ初めは、遡ること8年前。「俺がブレイクする前にスタジオのオーナーが、ビジネスでもパーソナルな面でもお似合いの女性がいるって紹介してくれた。2人とも忙しくて、会うまでに2か月もかかってさ。やっと対面して、それ以来いっしょにいる」とスウィズ。なんてロマンティック。そんな夫の第一印象をマションダに尋ねたら、「赤ちゃんみたいに幼く見えたの(笑)。私は最初のレコード契約を獲得したばかりで、恋愛する時間はないと思っていたけど、彼も同じ世界にいてお互いの状況がよくわかるのも良かった」。

 スーパー・プロデューサー×新人シンガーの組み合わせから、〈ダンナの七光〉だと思うなかれ。別々にインタヴューを取ったにも関わらず、〈マションダとはどんな女性?〉という問いへの答えは、2人とも「インディペンデントな人」。つまり、自分の足で立つことを知っている、というワケだ。「スウィズの妻だから私がゆっくりしていると思う人もいるようだけれど、本当はツアーに出て十分に食事や睡眠が摂れずに働くのも構わないタイプ」と本人もキッパリ。

 実際、マションダはまずソングライター、それもフックを作ることでキャリアを築いてきた。〈一生愛し続けられそうな人を見つけたの〉と歌うイヴの“Gotta Man”、ダイヤモンドになりきって〈マイ・レディーと呼んで〉と囁くジェイ・Zの“Girl's Best Friend”など、耳に飛び込んで離れないフックを編み出し、スウィズの作った曲をヒットに導いてきたのはマションダなのだ。まさに、内助の功。これだけの美人にスポットが当たるのに時間がかかったのは、少々不思議な気がするが。「彼女が出てきた当時は、フックが書けることの重要性をみんなわかっていなかった。それで、才能が認識されるのに時間がかかったんだ。やっていることが新しすぎたんだろうね」と26歳の夫。その彼もDMXとギョーカイに殴り込みをかけた際、あまりにも斬新過ぎるサウンドで賛否両論を起こしたものだ。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2005年11月10日 16:00

更新: 2005年11月10日 18:47

ソース: 『bounce』 270号(2005/10/25)

文/池城 美菜子