インタビュー

Madonna(2)

スウェーデンに恋してしまったみたい

 アバはスウェーデンのグループだが、マドンナの新作にはスウェーデンの作曲家も加わっていて、どうやらマドンナは最近スウェーデンに傾倒している様子。

「いつからかスウェーデンと名のつくものすべてに恋をしてしまっているみたいなのよね(笑)。スウェーデン出身の監督とは何回も仕事しているし、このアルバムではスウェーデンのソングライターにもたくさん参加してもらった。それに、ヨガの先生もスウェーデン人よ(笑)。スウェーデンに惹かれる理由? あの人たちの感性とは、とても馬が合うみたい。それがなぜなのかは、はっきり指摘できないけど、ある種のユーモアというか、不思議な奇抜さというか。太陽があまり照らないせいかもしれないわ。奇妙なパラドックスがあるのよね。一面ではとても明るい人たちなのに、別の面で妙に暗いところがあって。私はそういう二面性に惹かれる傾向があるみたいなのよ」。

 そして、マドンナは言葉を続ける。

「このアルバムは、単なる新しいタイプのディスコ・アレンジメントな作品にはしたくなかったのよ。それが『Confessions On A Dancefloor』というタイトルの意図するところなの。ほとんどの人は、ダンス・ミュージックを単に楽しむだけのもの、表面的なものと考えているかもしれない。それはそれで結構なことよ。でも、私には意味を持っていない12曲を書くことなんてできなかった。私のフィーリングや物の見方から考えると、曲についてはどうしても意味のあるものにしたかったのよ」。

 そう、このアルバムには、これまでのキャリアを振り返っての告白(コンフェッション)が含まれている。デビュー22年目、紆余曲折の人生を経て富も名声も幸せな家庭も手に入れたマドンナが、大好きなダンス・ミュージックに乗せて、自分自身について語っている。〈フューチャー・ディスコ〉サウンド、そのへんのところにもぜひ注目していただきたい。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2005年12月01日 12:00

更新: 2005年12月08日 21:41

ソース: 『bounce』 271号(2005/11/25)

文/伊藤 なつみ