TERIYAKI BOYZ(2)
ハードルが凄く高かったから
――いいアルバムですね。音楽的にはかなりハイブリッドなんですけど、力の抜け具合が絶妙で、楽に聴ける感じがとてもいい。いっぱいいっぱいじゃないからこそテクが利いてくるし、楽しめるアルバム。そのバランスが絶妙です。
ILMARI「けっこう悩みましたよー、例えばTERIYAKIのふざけ具合は何%くらいふざけるべきなのか? どれくらいRIP SLYMEと違うべきなのか?みたいなのもあるし……俺ら4MC(RIP SLYMEと同じ編成)だから、特に。VERBALとかおもしろい歌詞いっぱい書けるし。〈俺のいつものキャラをどう崩せばいい?って悩みましたね」
RYO-Z「(ILMARIに向かって)やっぱ俺たち的にはVERBALやWISEに凄くジェラシーを感じたよね。レコーディングの時とかも、2人のアルバムとか聴いちゃマズいなって思ったもん、〈いまm-floのアルバム聴いたら持ってかれちゃう!〉みたいな」
VERBAL「いやいやいや(笑)。僕、凄い引っ張られましたよ。RIP SLYMEの2人とやるのって――チャート・アクションも起こしてるけどヒップホップをわかってる人たちとの仕事の場なんで。もちろんスキルを問われるんですけど、〈おもしろい!〉とか別の部類でネクスト・レヴェルなものが要求される現場なんで。m-floだと、どっちかと言うとスタイルとか女性との絡みとかが重視されると思ってるんですけど、TERIYAKI BOYZはどっちかと言うと一発芸! いかにおもしろいか!?ってところが……」
ILMARI「それがね、意外とバンバンできてるところにちょっと……〈やっぱVERBAL、これもできんのかぁ〉みたいな(笑)。WISEもソロじゃやんないアナウンスとかやってるしね(笑)。だから何気に勇気は出してるんですよね。〈勇気を出してバギーパンツ穿く〉って歌詞じゃないけど、けっこう勇気を出してやってるところもありますね」
WISE「僕はVERBALやRIP SLYMEの2人がいままでやってきた〈メジャーに対する作品の作り方〉を勉強しましたね。そういう意味で、メジャーを意識するということが凄い実験だった(笑)」
RYO-Z「でも誰かがポロッと言った言葉で〈お、いいねぇ!〉って盛り上がって作ったりしたから。一発ギャグ大会みたいな感じではあったんです。海外のすげぇトラックメイカーがトラック持ってくるし、最初の企画の設定が凄く高いハードルだったから、並のMCなら気負っちゃうと思うんですよね。そこをどう(TERIYAKI BOYZ)らしくやるか、みたいなところでずっと考えてて」
ILMARI「でも俺ねぇ、後半はほんっとにねぇ、RIP SLYMEの昔のアルバム以来、ああいうテンパった気分になった」
一同「はははははは!」
RYO-Z「録音最終日は、昼の2時までやりましたからね。前の日の18時くらいにスタジオ入って昼の2時まで(笑)」
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