Chicken Lips
ディスコ・ダブ、エレクトロ・ディスコ、それから……縦横無尽に繰り広げられるダンスフロアの猛レースでいま先頭を突っ走るのは、当然このチキチキ野郎どもだ!!
〈5、6年前までは朝まで踊っていた〉というようなかつてのクラブ・フリークと話をしていると、ここ数年の間にクラブで起こってきた事象について再認識させられることがある。それはダンスフロアから弾き出されていた〈ディスコの裏側=B面〉の発掘作業だ。例えば老舗ウェスト・エンドのカタログにあったアーサー・ラッセルの諸作、99レコードなどのニューウェイヴ・ファンク音源、プレリュードで若き日のフランソワ・ケヴォーキアンが卓を捌いたダブ・ミックス、ジノ・ソッシオが手掛けていたシンセサイザー・ブギー・ディスコなど。一部の愛好家が収集してきたグルーヴの数々は気付けば露出解禁となり、それぞれの空気感を現代的に蘇らせようというアーティストやDJが世界各地からブレイクするようになってきた。その開祖というわけではないが、2000年代に差し掛かったフロアで〈エレクトロ・ディスコ〉〈ディスコ・ダブ〉を体現してみせたワン・オブ・ゼムが彼ら、UKのチキン・リップスだろう。アンディ・ミッチャムとディーン・メルディス、それにDJのスティーヴ・コーティが加わったミュージック・フリーク・トリオだ。
- 次の記事: Chicken Lips(2)
カテゴリ : インタビューファイル
掲載: 2006年03月16日 19:00
更新: 2006年03月16日 20:53
ソース: 『bounce』 273号(2006/2/25)
文/リョウ 原田