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インタビュー

KALEIDO

華麗度も佳麗度もさらにアップしたわよ!! ブラジルから爽やかな風を届けるカレイドスコーピオが、カレイドと名を改めて上機嫌な新作をリリース!!


「前作は私たちの活動に幅を与えてくれたわ。ブラジルの外へ出て同じヴァイブをたくさんの人々に伝えることができたし、みんな、私たちの音楽を聴くと気分がいいって言ってくれたのよ。出来上がったアルバムを見て、聴いて、世界中の違う文化を持つ人々が踊ったり笑ったりしてるのを見たのは最高の出来事だった。だからそれ以来、人々に幸せを与えることが私たちの哲学なの!」。

 本国ブラジルでは2003年にリリースされ、イルマへのライセンスを経て日本にも昨年上陸したファースト・アルバム『Tem Que Valer』の大ヒットをこう振り返るのは、カレイドスコーピオ改めカレイドのヴォーカリスト、ジャナイナ・リマ嬢。同作は日本でも異例のヒットを記録したそうですが、実際にコンビを結成したのはデビューと同年らしく、そう長い歩みのあるコンビではありません。それ以前からサンパウロを拠点にDJや楽曲制作を行っていたラミルソン・マイアと、プロのダンサーでもあるジャナイナが出会ったのは、とあるレイヴ・パーティーだったそうです。

「友達の紹介だったんだけど、帰りにラミルソンを車で送った時、自分が歌も歌うっていうことを伝えて、連絡先を交換したの。で、1週間後に彼のライヴのリハーサルにいったらその夜から歌うことになったの!」。

 ちなみに、わざわざ「ビジネス・パートナーとしてお互いに敬意を払ってるわ」と強調するようにカップルではない(?)ようです。それはともかく、「コンセプトは常にブラジリアン・フレイヴァーよ」と話すジャナイナの軽快な歌声が、DJマーキーやパチーフェ、フェルナンダ・ポルトといったブラジリアン・ドラムンベース勢のサウンドと比べても格段に爽やかなラミルソンのサウンドとマッチするのは確か。そんな相性の良さをふたたび証明するのが、3か月の海外ツアーを終えた昨年末より制作を開始したというセカンド・アルバムの『Kaleido』です。前作『Tem Que Valer』はタイトルを〈天気晴れ〉と表記してもおかしくないほど、伸び伸びと陽気な雰囲気が印象的でしたが、今作も決して〈枯井戸〉と変換してはいけない瑞々しさが眩しい、ポップで軽やかな作品となっています。しかも、ラスマス・フェイバーあたりに通じるオシャレなクロスオーヴァー系ハウスも大幅に導入した仕上がりは、彼女たちへの支持をよりいっそう拡大するに違いありません。

「いつもブラジルらしい音楽を作ろうと心掛けているのは変わらないわ。ただ、いろんな種類のリミックス・トラックを作ってきたけどアルバムに収録したことがなくて、今回はもっとハウスの要素を入れることを決めたの」。

 そうした新機軸の一翼を担うのは、i-depやCargoといった気鋭の日本人クリエイターたち。特に後者の手掛けた“Com Vc Ficar”のアッパーさはこれまでのカレイドにはなかった要素かもしれません。

「彼らとコラボできたことにとても感謝してるわ。違う視点を持てたし、出来映えにも満足よ。日本のシーンはとても力強くて、私は大好きなの」。

 その言葉どおり、10月には来日も果たす彼ら。最後に、さまざまなシチュエーションに対応できそうなこの『Kaleido』を、どんな場面や場所で楽しんでほしいと考えていますか?

「どこでも! 友達とクラブで楽しむのもいいし、家で一人で聴くのもいいわね。大事なのは、どういうヴァイブレーションを感じるかということだから!」。

▼『Kaleido』に参加したアーティストの作品を一部紹介。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2006年09月28日 20:00

更新: 2006年09月28日 22:20

ソース: 『bounce』 280号(2006/9/25)

文/轟 ひろみ