『FutureSex/LoveSounds』から薫り立つサウンドの滋養
まず本文にもあるように、“SexyBack”はデヴィッド・ボウイ“Rebel Rebel”のイメージだそうで。どう聴こえるかはさておき、かつてティンバランドがベックによる“Diamond Dogs”のカヴァーを手掛けていたことは指摘しておく。で、それ以外に本人の口から飛び出したのは、マイケル・ハッチェンス(インエクセス)やダニー・ハサウェイ、ジョニー・キャッシュなど。特にキャッシュは思い入れの強い存在らしく、リック・ルービンの起用理由もそこにありそうだ。
で、リック制作曲となる“(Another Song)All Over Again”はジョージ・マイケルの某曲に激似だったりするが、そのジョージからも遡れる名前は……しつこいけどプリンス。しかも90年代前半の“My Name Is Prince”や“Loose!”など(比較的評判の悪かった)ハウス~ヒップホップ路線だったりするのが痛快。〈何でもプリンスか?〉とお思いの方も、せめて“Thieves In The Temple”の長尺ヴァージョン(最近出た『Ultimate』ですぐ聴けます)とジャスティンの“LoveStoned”を聴き比べてください。他にも、“Pose”では思いがけずPファンクからのフレーズ引用があったり、聴き込むほどにいろんなドアが開いていくような、多様なおもしろさを感じ取れる作品ですよ!!
▼文中に登場したアーティストの作品を紹介