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インタビュー

メインストリーム・ポップスはポップ・ミュージックの最先端になっているのです!!

 ジャスティンの『FutureSex/LoveSounds』、というか本来は『Justified』の時点でもそうだったと思うんですが、いわゆるメインストリーム・ポップス作品のおもしろさが止まらん状況です。つまらないイデオロギーの囲い込みに腐心する日本の音楽メディアではいまだに〈芸能ポップス=大衆的で芸術性の低いもの〉という価値基準が残存してるし、〈アイドルかアーティストか〉みたいな区分けが本気で試みられたりしてますが、そんな頭でっかちとは無関係なところで、状況は凄いことになってるんですわ。とりわけジャスティンも手掛けたティンバランドの活躍ぶりは目覚ましく、全米No.1を奪取した“Promiscuous”を含むネリー・ファータドの『Loose』の鮮烈さは記憶に新しいところでしょう。

そのティンバはプッシーキャット・ドールズ(PCD)にも関与していますが、彼女らの“Buttons”を手掛けたポロウ・ダ・ドンがファーギーの“London Bridge”を大ヒットさせるなど、このあたりが旬のクリエイターなのですね。

また、ティンバは〈バッド・ボーイ版PCD〉ことダニティ・ケインのデビュー作にスコット・ストーチらと並んで参画。ストーチといえば、パリス・ヒルトンも最高に華やかで楽しい仕上がりでしたね。もちろん、新作中の“F.U.S.S.”にてそのストーチをディスっているクリスティーナ・アギレラも、ジャスティンと並んでかねてから高い音楽性を追求してきたアーティストです。ジェシカ・シンプソンの新作『A Public Affair』(P32をチェック!)の布陣も、そういった流れを見据えてのことでしょう。しかも各々がチャート的/セールス的にも好成績を収めているのだから素晴らしい! やっぱりここでもリスナーの耳が先を行ってるようですね。

▼文中に登場したアーティストの作品を紹介

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2006年09月28日 21:00

更新: 2006年10月05日 22:17

ソース: 『bounce』 280号(2006/9/25)

文/出嶌 孝次