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インタビュー

プロデューサーの冨田恵一が語るbirdと『BREATH』の魅力

「大沢(伸一)さんとやってた頃からbirdさんの声が好きだったんですよ。あの頃だと彼女はブラック・ミュージック寄りの人と括られていたけれど、彼女の声自体はブラック・ミュージックに特化したものではなくて、そこが良いと思っていたし、だからこそ僕がアルバム1枚プロデュースしてもおもしろいものになるんじゃないかな、と思ってました。日本的な魅力があるよね、ヴォーカリストとして。以前も彼女のアルバムで1曲、冨田ラボでも1曲やってもらってるんですけど、birdさんの独特な声は一聴して彼女だとわかる声だから、そういうアーティストと仕事をするのは楽しいですね。あの声が乗るっていうことで、自分のなかで〈だったらこうしよう〉っていうのがすぐ決まる。やっぱり声によるからね、サウンドって。あと今回は久々にアルバムを丸ごとプロデュースしたので、いろんなことを試せるのがすごく楽しかった。

 今回は普段と違って、依頼される段階でbirdさんのなかでアルバムに対するコンセプトがあって。それは〈人の一生〉というか、壮大なコンセプトではあるんだけど、それを〈大袈裟ではなくポップに表現したい〉って彼女は言ってたんですね。なので、そんなコンセプトがあるなら、それに対して僕が思うこととかも伝えてコンセプトをより強くするというか、そういう作業が、大変かもしれないけどおもしろいかな、と思って制作に入ったんです。さらに、コンセプトはありつつもそこに縛られすぎずに、音楽としておもしろい方向へ持っていこうということで僕と彼女も信頼し合って作業を進めていたので、それも良かったと思います」。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2006年10月05日 20:00

ソース: 『bounce』 280号(2006/9/25)

文/編集部

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