インタビュー

グライムを経てグングン拡張するブリット・ホップの世界!!

 UKガラージがさまざまなエレメントを吸収しながら進化していく過程において、徐々に輪郭を形成していったグライム。その原点は、MCのキャラクターやリリックも主要素としたソー・ソリッド・クルーやモア・ファイア・クルーといったガラージ・クルーに見つけることができる。USヒップホップ的なサウンドも採り入れた彼らはその後のシーンに目を見張るほどの影響を与えており、ディジー・ラスカルのようなアンダーグラウンド・ヒーローやポップ・シーンでも名を馳せるストリーツなど、若者のアイドル的存在にまで発展するキャラクターが生まれる一方、後にダブ・ステップともリンクしていくリフレックスのコンピ〈Grime〉シリーズのような動きも導いた。また、それ以前からストレートなヒップホップ・スタイルで活動していたアーティストたちも、グライム寄りのディープなベースやビートを用いたアプローチを披露。そして、そんな〈ポスト・グライム〉時代のプロダクションはいまやUKヒップホップ=ブリット・ホップの新たなスタンダードとなり、その遺伝子はガラージ/グライムという範疇すら超えた広域で確認することができるのである。
(青木正之)

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2007年03月15日 19:00

更新: 2007年03月15日 22:30

ソース: 『bounce』 284号(2007/2/25)

文/青木 正之、出嶌 孝次

記事ナビ