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インタビュー

アンダーグラウンドから力強く這い上がってきたUGKの15年に及ぶキングス・ロードを再確認してみよう!!

UNDERGROUND KINGZ 『Too Hard To Swallow』 Bigtyme/Jive(1992)
映画「ポケットいっぱいの涙」のテーマとしても知られる代表曲“Pocket Full Of Stones”を収録した初のフル・アルバム。ゆるやかな時間軸を浮遊するようなネタ感の強い曲が気持ち良く、どこまでもマイペースな2人のラップにズブズブ深みへと引き込まれます。

UNDERGROUND KINGZ 『Super Tight...』 Jive(1994)
オープニングからトリルであることを強調し、その名を全米にアピールすることに成功したセカンド・アルバム。鍵盤を多用したピンプCのプロダクションは、独自の乾きを湛えつつも微風が吹くような音世界を完全に構築。彼らの活動ペースと同様に、ジワジワとクセになっていくはず。

UGK 『Ridin' Dirty』 Jive(1996)
セールス面ではいまのところキャリア中の最大ヒット作となっており、〈テキサスにUGKあり〉を完全に認知させた3作目。3-2をゲスト・ヴォーカルに多用し、ファンキンな曲の上で主役2人のラップもメリハリをつけるなど柔軟性を披露。メジャー感のある作風の中でオリジナリティーの確立に成功した重要作だ。

UGK 『Dirty Money』 Jive(2001)
序盤から沁みる展開の“Let Me See It”を用意してフライな日常を綴っていく内容は、前作で獲得したオリジナリティーの発展型とも言える。マイペースながらも随所にエッジの立った展開を用意し、緊張感を全編に行き渡らせたトラックの数々が格好良く響き渡る。ジャーメイン・デュプリらが制作に参加。

UGK 『Side Hustles』 Jive(2002)
ピンプCの投獄を受けて、繋ぎで発表されたとも言えるコラボ集。トゥー・ショートやE-40、スカーフェイスといった大物からマニア受けするアーティストまで、交流と人脈の広さを窺わせる内容だ。オリジナル作品をすべて聴いたら、箸休めに次はこれ。彼らの偉大な足跡の一片を垣間見れるはずだ。

PIMP C 『The Sweet James Jones Stories』 Rap-A-Lot 4 Life/Asylum(2005)
投獄中に相方バン・Bが推進した〈Free PIMP C〉ムーヴメントの一環として登場した初のソロ作。トゥイスタやZ・ロウといった少数限定ゲストとの絡みも良いが、ピンプC自身の流れるようなラップが変わらず軽快に響く内容は、復活への期待を大きく抱かせた。

BUN-B 『Trill』 Rap-A-Lot 4 Life/Asylum(2005)
ひとりでUGKの暖簾を守り続けたバン・Bの強力なファースト・ソロ・アルバム。精力的な客演を反映して全米の各エリアから豪華なゲスト陣を招集し、引退中だったジェイ・Zまでも呼び寄せることで、聴く者にUGKの存在の大きさを知らしめた。内容そのものの充実ぶりにも満足できる傑作。

PIMP C 『Pimpalation』 Rap-A-Lot 4 Life/Asylum(2006)
晴れてシャバへ出てきて、トム・ペティの“Free Fallin'”ネタで自由を満喫。カムバックを祝うように大物アーティストたちも多数駆けつけ、“Knockin Doorz Down”に代表されるようなテキサス勢の結束とポジティヴな力を見せる入魂の傑作となった。全米3位の大ヒットを記録。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2007年09月13日 22:00

ソース: 『bounce』 290号(2007/8/25)

文/高橋 荒太郎

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