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インタビュー

リメイク/リモデルに優れたウィルのプロデュース・ワークあれこれ その3

THE PUSSYCAT DOLLS 『PCD』 A&M(2005)
ウィルとは何かと縁深い敏腕A&Rのロン・フェアが送り出した猫娘たちだけあって、怪しい色気が漂う“Beep”を制作/共演。ELO“Evil Woman”使いもウィルらしいネタのチョイス。
(池田)

MARY J. BLIGE 『The Breakthrough』 Geffen(2005)
彼女が伝記映画で演じるという、故ニーナ・シモンの名曲をネタ使いした“About You”を制作。渋味のあるヒップホップ・ビートを手掛け、ラッパーとしても相手役を務める。
(池田)

SERGIO MENDES 『Timeless』 Will.I.Am/Concord(2006)
ブラジルの巨匠からもラヴコールを受け、このリメイク・コラボ企画で全編を制作。ポップ感覚を備えつつ多様な音楽に造詣の深いウィルならではのピースフルな好作品に!
(池田)

EARTH, WIND & FIRE 『Illumination』 Sanctuary(2005)
往年のファンも魅了したEW&Fの復活作では、華やかでファンキーな冒頭曲“Lovery People”をプロデュース/共演。今昔を超えたタイムレスなサウンド構築もお手のもの。
(池田)

KELIS 『Kelis Was Here』 Arista(2006)
ふたたびアヴァンギャルドでスタイリッシュな音世界を志向したケリス嬢に、80'sエレクトロ風やロック調、ファンカデリック引用曲などを提供。彼女持ち前の雑食性とも好相性を見せる。
(池田)

CIARA 『The Evolution』 LaFace/Jive(2006)
近年の自曲やプロデュース曲(特にファーギーのソロ作)で多く見られたエレクトロ風味をシアラにも応用。つんのめった打ち込みビートで疾走する“Get In, Fit In”を制作している。
(池田)

BONE THUGS-N-HARMONY 『Strength & Loyality』 Interscope(2007)
ウィル1Xの名でルースレスと契約していたウィルは、遡ればボンサグのレーベルメイトであった。ここではボビー・ウォマック使いの“Streets”で邂逅。ゲームも招集。
(池田)

DADDY YANKEE 『El Cartel : The Big Boss』 El Cartel/Universal(2007)
レゲトン番長の要請に対し、ボブ・ジェイムスとザップ使いの“Plane To P.R.”、祭り調の“Who's Your Daddy”、ファーギーも投入の“Impact(Remix)”で腕を奮う。
(池田)

TALIB KWELI 『Eardrum』 Blacksmith/Warner Bros./ワーナー(2007)
不動の人気を誇るコンシャスMCの最新作では、シングル曲“Hot Thing”と“Say Something”を制作。ヒップホップを熟知したネタ使いの妙で唸らせる流石の仕事っぷり!
(池田)

 ……と、残りのスペースではとてもあれこれ紹介できないほど、プロデューサーとしてのウィル・アイ・アムの活躍は多岐に渡っているし、実際のサウンドはそんな顔ぶれの多彩さ以上にずっと幅広いものだ。例えば、旬のラッパーやR&Bシンガーをドカドカ手掛ける最前線クリエイターは他にもいるだろうが、ウィルがユニークなのは各界のレジェンドやすでに音楽性の確立されたヴェテランたちのリフレッシュにも貢献しているところだろう(下に挙げた他にも、スティングやローリング・ストーンズのリミックスを手掛けている)。ある意味でワールド・ポップ的な仕上がりとなった今回の『Songs About Girls』にてまた引き出しを増やしたウィルは、今後もより鮮やかな景色をさまざまな形で見せてくれるに違いない。
(轟ひろみ)

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2007年10月04日 16:00

更新: 2007年10月04日 17:17

ソース: 『bounce』 291号(2007/9/25)

文/池田 貴洋、轟 ひろみ