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インタビュー

ロックの未来を提示し続ける問題作の数々で、バンドの歩みを振り返ろう!

RADIOHEAD 『Pablo Honey』 Parlophone(1992)
記念すべきデビュー作だが、本人たちは仕上がりに納得しておらず……というのは有名な話。シングル“Creep”がUSで高い評価を得て、逆輸入的なカタチでUK本国でも知名度を上げることになる。現在の彼らからは想像できないポップな小曲がズラリ。

RADIOHEAD 『My Iron Lung』 Parlophone(1994)
彼らのインテリジェントな狂気が初めて牙を剥いた、『Bends』にも収録されることとなるタイトル曲で幕を開けるEP盤。その他のナンバーも、この時期ならではの荒々しいギター・サウンドが特徴的だ。このたび2008年1月1日に初の日本盤化が決定!

RADIOHEAD 『The Bends』 Parlophone(1994)
『My Iron Lung』からの伏線はあったものの、当時はまさかここまで内省的で虚無感に満ち溢れ、かつ壮大な作品が生まれるとは誰も予想だにしていなかった。いわゆる〈叙情系〉のお手本盤としても極めて重要で、彼ら自身も本作を〈真のファースト・アルバム〉と語るほど。

RADIOHEAD 『OK Computer』 Parlo-phone(1997)
前作以上にストイックなサウンドで、バンドを孤高の存在へと押し上げてしまった大ヒット作。痛いほどに暗鬱なメロディーと躍動感を持った本盤は、新作『In Rainbows』の前のめりなビートとも共通している。全世界で彼らのフォロワーを量産することになった、まさに金字塔。

RADIOHEAD 『Kid A』 Parlophone(2000)
感情の一切を削ぎ落とした無機質なサウンド・テクスチャーでオウテカなどと比較され、その後エレクトロニカとロックの混交が激化する発端を作った罪深い一枚。電子機材の大胆な導入はリスナーの意識変革を迫り、この頃からロック人も〈アブストラクト〉なんて言葉を使いはじめた。

RADIOHEAD 『Amnesiac』 Parlophone(2001)
『Kid A』とほぼ同時期に制作された楽曲を集めたために、なんと1年も待たずしてリリースされた通算5作目。無機質なサウンドの残滓はあるものの、重々しいメロディーに音響的な意匠を施したエモーショナルな楽曲が並ぶ。あらゆる面でもっともヘヴィーな一枚。

RADIOHEAD 『I Might Be Wrong:Live Recordings』 Parlophone(2001)
バンド初のライヴ・アルバムで、『KID A』『Amnesiac』からのナンバーを収録。スタジオで作り込んだ楽曲をプリミティヴな情動で破壊するような、驚くほどロックな演奏を披露している。

RADIOHEAD 『Hail To The Thief』 EMI UK(2003)
近年のレディオヘッド作品の中でもっともキャッチーでポップな一枚……というと御幣があるかもしれないが、ロックの原初的衝動とさまざまな〈怒り〉に、シャーマニックなビート感がネットリと絡みついた本盤は、混迷する世界情勢を反映させた非常にわかりやすいアルバムだ。

JONNY GREENWOOD 『Bodysong -Music From The Film』(2004)
ギタリストの初ソロ作はTV映画のサントラ盤……ということもあって、エレクトロニカ、ジャズ、アンビエントを呑み込みながら、映像喚起力の強い美しい楽曲を収録。本作のおかげでバンド内での彼の重要な役割が浮き彫りに!

RADIOHEAD 『Com Lag:2+2=5』 Parlo-phone(2004)
2004年の来日公演を記念した日本独自企画のEPで、好評につきその後UKでも限定リリースされた。神懸かり的に美しいフォー・テットによる“Scatterbrain”のリミックスやライヴ版“Fog”など、ここでしか聴けない貴重な音源を収録。

THOM YORK 『The Eraser』 XL(2006)
音のテイストから『Kid A』と比較する人もいるが、『Kid A』とは制作のモチベーションがまったく異なっていて、この初のソロ作では非常にリラックスしたムードでメッセージを紡ぎ、調和の取れた音世界を生み出している。インディー・レーベル、XLからのリリースも話題になった。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2007年12月27日 22:00

ソース: 『bounce』 294号(2007/12/25)

文/冨田 明宏

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