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インタビュー

積極的にクラブ・ミュージックと結び付きはじめたメインストリーム・サウンド

 『Discipline』の素晴らしさのひとつは、メロディアスで優美なジャネット感とプログレッシヴなダンス・トラックが見事に結び付いていることであります。ジャスティン・ティンバーレイク×ティンバランドの扇情的な4つ打ち路線もきっかけなのか、昨今のアーバン・ポップはエレクトロ~ハウス~テクノのテイストを貪欲に吸収していて、実際に昨年あたりからダークなエレクトロに跨ったブリトニー・スピアーズやトランシーなユーロ路線を採用したリアーナ、ブーミーなエレクトロに乗ったドリーム、そしてダフト・パンクをネタ使いしたカニエ・ウェストなど、メインストリームではその種のサウンドがハッキリしたトレンドとなりつつあります。ジャスティスの楽曲がフリースタイルのオケに使われるという現象もそんなムードの表れなのかもしれません。ブッカ・シェイドをネタ使いしてハウスに挑んだウィル・アイ・アムもいますね。一方、オートチューンの使用によるロボット感を浸透させたT・ペインも徐々に類型的なヒップホップとは異なるビートを模索していますし、日本ではSONOMI(というかKREVA)がそれに反応していたのも興味深いところ。で、それら諸々の要素を兼備したのがスヌープ・ドッグのキラー・チューン“Sensual Seduction”ということになりますが、アルバムが待ちきれない人はクローメオあたりのエレクトロ・ファンクをどうぞ。もちろん、ジャネットもこの流れで楽しまれるべきですね。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2008年03月06日 18:00

ソース: 『bounce』 296号(2008/2/25)

文/出嶌 孝次

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