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インタビュー

自作自演自立ソウル・レディーはまだまだ豊作なのです! その1


ANGELA JOHNSON
 クーリーズ・ホット・ボックスの一員でソロでも活動するアンジェラ・ジョンソンは、真に才媛という言葉が似合う女性だ。凛としたこの人の楽曲からは、本当に自分の言葉で曲を書き、歌っている姿が伝わってくる。そんな才能を知らしめる一枚が、アンジェラがコンポーズした曲をゲスト・シンガーが歌った企画盤の新作『Woman's Touch Vol.1』。アンジェラ同様にインディー・ベースで良質な作品を作り上げてきた才能が結集し、生音メインで70~80年代ソウルのグルーヴを再現したものだが、実直なメロディーとサウンドが評価され難いこの時代に、あえて正攻法で挑むアンジェラには清々しささえ感じるほどだ。
(林 剛)

TIOMBE LOCKHART 『Tiombe Lockhart #1』 OCTAVE(2007)
プラティナム・パイド・パイパーズ一派の歌姫。ジル・スコットぽい人懐っこさがあり、エリカ・バドゥをキュートにしたようなシンガーで、その歌には自分の足で立ち上がった強さがある。ビラルも入れ込む才は確かだ。
(林)

MAYA AZUCENA 『Junkyard Jewel』 Purpose(2007)
ファンクも匂ったデビュー盤から一転、今作ではフォーキーな装いで自己の内面を綴ったマヤ・アズシナ。〈掃き溜めのツル〉とでも解釈したい表題の如く、主張を込めた彼女の声は腐った地球の片隅で気高く響き渡る。
(林)

ERIKA ROSE 『Rosegarden』 Intinity La Monde(2007)
こちらのエリカは曲調から唱法まで表現のオルタナ化を恐れず、芯の強さを伸びやかに聴かせる。自由度の高い多彩なアレンジを全面援護したのがサー・ラーのオンマス・キースというわけで、あちらのエリカも刺激されたはず。
(出嶌)

ZAP MAMA 『Supermoon』 Heads Up(2007)
前作『Ancestry In Progress』でエリカやルーツと共演しているマリー・ドルヌだが、この最新作ではその経験に血肉化したうえでのアフロピアンらしさを表現。ここに並ぶR&B作品以上にR&Bらしさを弁えた歌モノ作品として楽しむべし。
(出嶌)

DAVINA 『Return To Soul』 Pヴァイン(2007)
〈自作自演派〉とは、作詞/作曲/演奏/プロデュース/ミキシングをマルチにこなすこの人にこそ捧げたい。デトロイトを拠点に漆黒のグルーヴを紡ぐR&B才女は、この10年ぶりの新作でも自己のスタイルを貫いていた。
(林)

G&D THE MESSAGE 『Uni Versa』 Look(2007)
最上級のプログレッシヴ・ソウルをスモーキーに聴かせる才女といえば、ジョージア・アン・マルドロウしかいない。ダドリー・パーキンスと組んだこのデュオ作も、エリカ様がイキきれない真っ黒な宇宙からファンク電波を飛ばす怪作!
(出嶌)

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2008年04月17日 17:00

更新: 2008年04月17日 17:11

ソース: 『bounce』 297号(2008/3/25)

文/出嶌 孝次、林 剛