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インタビュー

Panic At The Disco

〈ディスコ・エモ〉なる新たなサウンドと共に一大ムーヴメントを巻き起こした4人組が、早々にシーンと別れを告げて今度はサイケ・ロックに挑戦だ! そう、まだまだフィーヴァーは止まらないよ!!

〈きれい。ヘン。〉? 〈かなりヘン〉?


 ニュー・アルバムの制作に着手したパニック・アット・ザ・ディスコ(以下PATD)が手始めに作った新曲を聴いた際、彼らの所属しているフェルド・バイ・ラーメンのレーベル・オーナー、ジョン・ジャニックは心配でたまらなかったそうだ。

「バンドがどういう方向に進みたいのか、まったく理解できなかったんだ。PATDを見い出したピート・ウェンツ(フォール・アウト・ボーイ)も僕と同じ意見だったみたいだよ」(ジョン)。

 どうやらその気持ちはバンド・メンバーも同じだったらしい。彼らは、ダンサーを加えたシアトリカルなショウの延長上で〈新作をミュージカル仕立てのコンセプト・アルバムにしたい!〉とのアイデアを膨らませ、ファンタジー風のラヴストーリーを軸にした曲をまずは5~6曲作ってみたという。しかし、ジョンやピートに聴かせる以前から、当の本人たちが確かな手応えを感じられずにいたようだ。そこで最初のアイデアをボツにすると、発想を180度逆転させてそれぞれ異なるタイプの曲を集めたアルバムを作ろうと決意。さまざまな影響を反映させた曲を一気に書き上げると、地元ラスヴェガスでレコーディングを行い、最後にアビー・ロード・スタジオでオーケストラを重ねて、このたびの新作『Pretty. Odd.』を完成させた。その間わずか5か月!

「新作を作るにあたり、昔から持っていたアイデアや新旧さまざまな音楽から得た影響をとことん突き詰めていったんだ」(ブレンダン・ウーリー、ヴォーカル/ギター/キーボード)。

 ストリングスとホーンをフィーチャーした先行カット“Nine In The Afternoon”を通じて、すでに彼らの変化に驚いたファンも多いことだろう。しかし、それは序章にすぎなかった。〈きれい。ヘン。〉とも〈かなりヘン〉とも受け取れるタイトルを掲げた2年半ぶりのニュー・アルバムを聴けば、これが今年いちばんの話題作にして問題作であることを思い知らされるはずだ。いちエモ・バンドとしてデビューした時のPATDを知っていればなおさらのこと。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2008年04月24日 17:00

更新: 2008年04月24日 17:27

ソース: 『bounce』 297号(2008/3/25)

文/インタヴュー・文/山口 智男、キーワード解説/宮原 亜矢